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「オー!ファーザー」
伊坂幸太郎  


   




みんな、俺の話を聞いたら尊敬したくなるよ。我が家は、六人家族で大変なんだ。そんなのは珍しくない?いや、そうじゃないんだ、母一人、子一人なのはいいとして、父親が四人もいるんだよ。しかも、みんなどこか変わっていて。俺は普通の高校生で、ごく普通に生活していたいだけなのに。そして、今回、変な事件に巻き込まれて―。 (「BOOK」データベースより)



地方紙に連載された作品だそうです。
連載されたのは、2006年からだったそうで、以降、地方紙に順次掲載されたそうです。

だからなのか、どうなのか、伊坂さんの作品らしくない、ダラダラ感があって、ちょっと読みにくかったです。
もちろん、会話の軽妙さは、存在していて、読みながら、クスッと何回も笑わせられるのですが、
ストーリーの運び方にシャープ感がありません。
新聞連載小説だと、さすがの伊坂さんも、ペースをつかむのが難しかったのかな。

前半・・・と言うか、終盤を除くほとんどが伏線みたいなものなのは、いつもの伊坂さんらしいのですが、
その部分が、ストーリーとして、読んでいても、あまり面白くないのですねーーー。
”父親が4人”で、それぞれが個性豊かなので、
全くつまらないというわけではないのですが・・・。

そして、ラストの大団円!も、それほどのインパクトがありませんでした。
いつもの、心震える感動!?が、なくて、あぁ、そうなのね〜。ぐらいな感じでした。

<あとがき>に、伊坂さん本人も「何かが足りなかったのではないか」と、思ったと書かれていますが、
その通りだと思いました。おこがましいですが・・・(^^;。 (2010,11,03)