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「バイバイ、ブラックバード」
伊坂幸太郎


太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語。1話が50人だけのために書かれた「ゆうびん小説」が、いまあなたのもとに。 (「BOOK」データベースより)



星野一彦が、付き合っていた5人の女性と最後のお別れをする話の連作です。

なんと、彼、二股・・・どころでなくて、五股をしていたという設定です。
でも、なかなか好人物なんですよね、彼。
その割に、なにやら、大きな借金を作ってしまい、その対価として、バスに乗って、どこかに連れて行かれてしまうらしい・・・。

そんな彼の、それぞれの女性との出会いと、その女性との関わりが描かれています。

が、なんと言っても、印象的なのは、一彦を監視している繭美という女性。
名前は、とてもかわいらしいけれど、実は、人間離れした巨体を持つ、これまた、人間離れした性格の女性(^^)。
彼女のキャラが、この小説の肝となっています。

元々、この小説は、ゆうびん小説という、珍しい形態の小説だったそうで、
選ばれた50名に、伊坂さんが書き下ろした小説が、郵便で送られていたらしいです。
それって、何か、意味があることだったの?!と、思うのですが、
選ばれた人にとっては、とても貴重な体験だったことでしょう(^^)。
何しろ、伊坂幸太郎の小説が、送られてくるんですからね〜。
うらやましい!!(^^)。

ストーリーは、いろいろなパターンがあるものの、ある意味、ワンパターン。
続けて読むと、ちょっと飽きるのですが、
一彦と繭美の言動が、その都度ちょっとづつ変化するのが、さすがに、伊坂さん!

そして、ラストには、意外な局面にいたって・・・。

伊坂さんだから、ラストには、何かがあるのだろうという期待があって、相当ハードル高くなってしまいましたが、まあ、こんなところですかね。 (2011,04,30)