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「ブルー・ゴールド」
真保裕一


謀略、告発、二重スパイ、真犯人は誰なのか!?
2千億円をつかみ取れ!
青い金脈=水をめぐって巨大企業との死闘が始まる
息を呑む頭脳戦&どんでん返しの連続ーーー
まさに第一級の謎解きエンターテイメント! (帯より)



資源としての水をめぐる企業間の攻防から始まる、ビジネスミステリーです。
真保さんの初期の作品を彷彿とさせる、社会派です。

水・・・私たちの生存にとって、なくてはならないもの。
そして、実は、企業にとっても、大切な生命線。
また、工場を誘致しようとする地方自治体にとっても、利益をもたらす水は、
まさにブルー・ゴールド。
地下水脈がある町と、ない町、この違いの大きさを、この本を読んで初めて知りました。

出だしは、ある水質検査の数値。
だから、公害とか、数値の改ざんとかの話かと思っていると、
次から次へと話は、広がり、
企業と企業の騙し合いみたいな話もあって、
相当、面白い話だけれど、相当ややこしくて、頭を整理しながら読んでいないと、わけが分からなくなりそうでした。

私は、企業戦士とは、縁もゆかりもないので、
大企業に勤めるサラリーマンは、安泰でいいなとか思っていたのに、
こんなに大変だとはねぇ・・・(^^;。
先日読んだ、「下町ロケット」のことも、思い出しました。
こうやって、人の裏ばかりかこうとしていると、いい死に方をしないような気がする・・・(^^;。

藪内の周りの人たちのキャラが、濃くて、息抜きになりました。

企業に勤めている人が読んだら、さらに面白く感じるかも。 (2011,08,25)