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「悪の教典」
上・下 貴志祐介


とびきり有能な教師がサイコパスだったとしたら、その凶行は誰が止められるのか──ピカレスクの輝きを秘めた戦慄のサイコ・ホラー。2010年度「このミステリーがすごい!」第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、第1回山田風太郎賞。 (内容紹介より)



この話題の本、やっと読めました。

貴志さんは、私の好きな作家さんの一人です。
特に、初期の頃のホラーが、好き!
私の中では、貴志さん=ホラーなのです。
でも、最近は、違う方面の本が多くて、残念でした。

この本は、異常な人間の怖ろしい行動を描いた話です。

冒頭は、ごく普通の青年教師物語風に始まります。
しかし、家にやってくる悪賢いカラスとの攻防から、一見人当たりのいい蓮実という人間の、天性の異常性が、じわじわと感じられてきます。

上下巻の長い物語ですが、すらすらと読めました。
でも、あまりにも、人を平然と、冷酷に、そして、あっさりと殺す彼のことが怖く、
そして、殺される人間のあまりの無防備さに、読むのが辛くなったことも多々ありました。

ラストは、思わず、涙で、活字がにじみました。
怖ろしくて、悲しい物語。
もしかすると、続編もあるのかもしれませんね。

映画化するなら、蓮美役は、誰がいいかなとずっと考えてましたが、瑛太なんかいいんでは?? (2012,01,11)