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「ダークゾーン」
貴志祐介


神の仕掛けか、悪魔の所業か。地獄のバトルが今、始まる。 (「BOOK」データベースより)



本を読む前に、将棋の話だと聞いていたので、
あぁ、将棋はしないし、ルールも分からないからパスしようかなと、チラッと思いました。

でも、読み始めると、確かに、将棋の話も出てきますが、
メインは、シミュレーションゲーム。
怪物に変身した人間を動かして戦う、人間将棋のリアル版です。
でも、表紙には、何故か将棋ではなく、チェスのイラスト・・・。
確かに、チェスの要素もあるんですけどね。

私は、ゲームも好きですが、やるのは好きでも、その模様を描いた本を読むのはの苦手なので、
またまた、どうしようかな・・・と思いつつさらに読み進みました。

でも、これが意外と、どんどん読み進むんです(^^)。
普通の人間が、急に、ゲームの世界に放り込まれて、命を賭けて戦うんですよ〜。
しかも、自分は、キングで、作戦を考えつつ、怪物に変身した人間たちを、自由に、使うって・・・。
これ、意外と爽快かも?!(^^)。

ゲームのコマとして、敵味方総勢18名。
それぞれ、”火蜥蜴(サラマンドラ)”とか”皮翼猿(レムール)”とかになっていて読みにくい・・・(^^;。
でも、その名前部分が、何故か太文字になっているので、思ったよりも、分かりやすく、
命を賭けた、血みどろ人間将棋風ゲームの行方が、妙に気になるのでした。

ただ、その勝負が、数番続くので、さすがにだんだん飽きが来てしまうのですねーーー(^^;。
でも、その頃になると、ゲームと交互に挿入される普通の生活部分が、佳境に入ってくるので、
そちらが、気になり始めます。

そして、ラスト。
あぁ、なるほど、そうなるのか〜。

中盤は、ちょっと苦労しましたが、苦手二乗の作品を読み終えることが出来たのは、
やはり、貴志さんの筆力でしょうか。

将棋の棋士さんについても、知らないことがいろいろあって、興味深かったです。
読む人を選ぶ作品ですが、はまれたら、面白いかも(^^)。 (2012,03,18)