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「GOTH リストカット事件」
乙一

殺す人間と
殺される人間がいる
僕は前者だ。 (帯より)



先日、間違えて読んだ「GOTH モリノヨル」の、元となる本です。
第3回本格ミステリ大賞受賞作。

「モリノヨル」に出てきた、森野夜と”僕”が、登場する連作です。

まさしくGOTH=幻想的・怪奇的・頽廃的、そして猟奇的な世界が展開するので、最初の内は、ちょっと・・・いや、だいぶ、抵抗がありました。
特に、最初の2編「暗黒系」「リストカット事件」は、まだこの世界に浸りきれないまま読んだので、
う〜む、これは完読は無理かも・・・(^^;と思いつつ、渋々?!読み進めました。
でも、我慢して読んでゆくと、森野や”僕”の背景がうっすらと見えてきて、面白く感じ始め、
終いには、やみつき状態になってしまったかも?


「暗黒系」普通の顔をした、一般人の中には、実は、一番怖ろしいことを考えている人がいるのかも。
「リストカット事件」う〜ん、人の趣味とは、計り知れない・・・。
「犬」すっかり騙されました。
「記憶」森野夜の誰にも知られていなかった秘密。
「土」これは、怖ろしい・・・だけど、切ない。
「声」まさに、ラストにふさわしい作品。またしても騙された・・・(^^;。


嫌いじゃないな。 (2012,04,26)