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相馬野馬追い殺人事件
皆川博子   





野馬追い祭りで賑わう夏の相馬。崖下で武者姿の若者が毒矢に射られ、殺されていた。発見したのは、太平洋戦争前に結成され、日米開戦の机上演習を任務としたエリート集団「白国政府閣僚」の元メンバーたちだった。年に一度の親睦の集いを機会に、祭りへの招待を受けたのだった。その夜、メンバーの一人が旅館の風呂場で感電死する。そしてその後も次々と事件が・・・。犯人の狙いはいったいなんなのか?長編本格推理。(裏表紙より)



相馬は我が家の墓地があるところなので、地名には馴染みがあるのですが、今や知り合いもなく、私も、1,2度しか行ったことのない、実は、馴染みのない土地です。
でも、「野馬追い祭り」のことは、父に聞いたこともあり、たまにTVのニュースで見たこともあったりして、この題名には、親近感を感じました。

そんな野馬追い祭りの最中に、殺人事件が起こります。
武者姿で馬に乗っていた、主人公、八束喬雄もまた、馬に石を投げられて、馬が暴れ、落馬してしまいます。
その夜、また一人の老人が死に、すわ、連続殺人事件か・・・?という冒頭です。

アリバイ工作があったり、細工を施したような事件もあったりと、まさに王道の推理小説でした。
その中に、「白国政府閣僚」とか”馬芝居”の話が出てきたりと、物語に厚みが出ているように思いました。
これが、「敬老会」であったり、”演劇研究会”だったりしたら、ありきたりですからね〜。

ただ、犯人の動機の割に、死者が多すぎるような気も致しました・・・(^_^;。 (2015,08,22)