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魔性の子
小野不由美




どこにも、僕のいる場所はないーー 教育実習のため母校に戻った広瀬は、高里という生徒が気に掛かる。周囲に馴染まぬ姿が過ぎし日の自分に重なった。彼を虐めた者が不慮の事故に遭うため、「高里は祟る」と恐れられていたが、彼を取り巻く謎は、”神隠し”を体験したことに関わっているのか。広瀬が庇おうとするなか、更なる惨劇が・・・。心に潜む暗部が繙かれる、「十二国記」戦慄の序章。(裏表紙より)



前から読みたかった小野不由美さんの「十二国記」を読み始めました。
”ファンタジー小説”ということで、ずっと二の足を踏んでいたのですが、今回読んだこの作品は、「十二国記」のサイドストーリーらしいのですが・・・、ホラー色の濃い、私には、とても読みやすい作品でした(^_^)。描かれているのが、現代の日本なので、なおさらでした。
今から20年以上前に書かれた作品なのに、今読んでも、新鮮で、面白かったです。

人はどうして、自分たちとは異質なものを受け入れられないのか。
でも、それは、仕方のないことなのかなとも思います。
自分の理解できないことに対しては、興味を持つし、もしかしたら、それに対して、”敵”と認識してしまうかもしれないのは、自然の流れですから。
でも、不思議なのは、それに”祟られる”と知りながらも、なお、そっとしておくということが出来ないこと。
いくつもの過去例があるのに、それでも、放っておかれないとは・・・これも、やはり、人間の性(さが)なのでしょうかね。

それにしても、あそこまでいくと、すでに誰がなんと思おうとも、高里に、居場所はないでしょう(^_^;。

もし今、こんな事が起こったら、ネットを通して全世界にすぐに拡散し、大変な騒動になっていることでしょうね。

さて、次は、「月の影 影の海」。楽しみ!(^▽^) (2015,11,05)