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東の海神 西の蒼海
小野不由美




「国がほしいか?ならば、一国をお前にやる」これが、雁州国延王・尚驍ニ延麒・六太とが交わした誓約だった。 民らが、かつての暴君によって廃墟となった雁国の再興を願い続けるなか、漸く新王が玉座に就いたのだ。それから二十年をかけて、黒い土は緑の大地にと、生まれかわりつつある。しかし、ともに幸福を探し求めた二人の子供のが、やがて、この国と王と麒麟と民との運命を、怒濤の渦に巻き込んでいく!!(表紙折り返しより)



荒れ果てた雁国の王となった尚驍ヘ、20年かけて、やっと国土を緑の大地へと改良しつつあったが、それでも、地方には、様々な不満が残り、とうとう、元州の不満分子が決起する。
そして、麒麟・六太は、彼らに捕らえられ、力を押さえられて、幽閉されてしまう・・・。

国の政治に無関心で、遊んでばかりいる雁王、尚驍ナすが、実は、彼は彼なりに、国のために、色々なことを考えている様子。
でも、そんなわがままし放題が許されるのは、彼を取り巻く重臣たちが有能で、かつ、信頼に値する人物だからのようです。

反面、反乱軍となるのは、人望の篤い斡由。
でも実は・・・。という話でした。
うわべだけでは、人は分からないもの。
でも、その人の深層心理を見破ることは、なかなか難しいです。
そんなことを描いた今回の物語でした。

今までのファンタジーファンタジーした話よりも、日本の戦国時代を彷彿とさせるような男臭い感じがしました。

私が読んだ講談社文庫の巻末には、小野不由美さんのあとがきが収録されていて、単語や、言い回しに苦労していると書かれていました。
でも、読む方としては、分かりやすい言葉で書かれていた方がうれしいんだけどなとか、勝手なことを思ってしまいました(^_^)。 (2015,12,18)