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華胥の幽夢
小野不由美

王は夢を叶えてくれるはず。だが。才国の宝重である華胥華朶を枕辺に眠れば、理想の国を夢に見せてくれるという。しかし采麟は病に伏した。麒麟が斃れることは国の終焉を意味するが、才国の命運はーー「華胥」。雪深い戴国の王・驍宗が、泰騏を旅立たせ、見せた世界はーー「冬栄」。そして、景王陽子が楽俊への手紙に認めた希とはーー「書簡」。ほか、王の理想を描く全5篇。 (裏表紙より)



今回は、5篇の短編集でした。
戴、芳、慶、才、そして奏。
各国の王の理想や、夢の話です。

それぞれの国には、それぞれの国の事情があり、長年栄えている国もあれば、王が討たれたり、国が荒れてしまった国もある。
栄える国には、それなりの理由があり、そのシステムを作り上げるまでが、難事業なのは分かります。
しかし、天命によって王になるという割に、王が得られる特権は、麒麟に仕えられ、不老不死となることのみ。
王となってしまえば、それ以降は、王の智恵と努力によって、国を平和に治めていかなければならないというのは、大分荷が重そうです。

戴国の驍宗のように、前の王の治世を見ていたり、地方行政に関わっていたりすれば、国のあり方なども、わかっているでしょうけど、
慶国の陽子のような場合は、何も分からない女子高生が、突然、総理大臣とか、大統領になるようなもので、そんな人が国を治めるなんて、とても無理そうな気がします。
うまく治世が出来るような魔法のような力とか、未来を見られる能力とかがあればいいのですが、そんなこともなさそうです。
逆に、お宝で、才国のようなことにもなることもあるし・・・。
本当に、国を治めると言うことは、難しいことです。
また、何百年も治世をしていたら、それこそ、飽きてしまう・・・という問題もあるのね〜(^_^;。
な〜んて、色々考えさせられました。

さて、次は、とうとうシリーズ最後の本となりました。
次の作品待ってます〜〜〜!(^_^)。 (2016,02,07)