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ホテル・ニューハンプシャー
ジョン・アーヴィング








1939年夏の魔法の一日、ウィン・ベリーは海辺のホテルでメアリー・ベイツと出会い、芸人のフロイトから一頭の熊を買う。こうして、ベリー家の歴史が始まった。ホモのフランク、小人症のリリー、難聴のエッグ、たがいに愛し合うフラニーとジョン、老犬のソロー。それぞれに傷を負った家族は、父親の夢をかなえるため、ホテル・ニューハンプシャーを開業するーー現代アメリカ文学の金字塔。 (裏表紙より)



”現代アメリカ文学の金字塔”です。
いつか読もうと思っていたのですが、やっとその順番がやってきました。

個性豊かなベリー家のファミリー小説です。
冒頭は、ファミリーが出来るまでの物語。
父親と母親の出会いはロマンチックな話・・・なのですが、そこには、何故か、一頭の熊がいて、なんとも、異彩を放っています。
熊を飼うなんてこと、私の常識から、はるかに離れていますから(^_^;。
昔、ソ連製の映画「戦争と平和」を見た時、ペットとして熊がいたのにびっくりしたのですが、昔は、結構ポピュラーだったんでしょうか?!
その熊の存在と、ベリー家の人々の個性の強さで、第一次ホテル・ニューハンプシャーの話は、とても面白かったです。

ところが、オーストリアで、第二次ホテル・ニューハンプシャーを開業する話になると、とたんに、テンションが下がってしまいました。
売春婦とテロ組織が集まるホテルの話なんて、暗いばかりで、面白味が少なく、その上、彼らには、さらなる不幸が見舞うのです。

そんな暗いイメージのウィーンの街から、また、アメリカに戻ってくると、空気感がカラッとして、ホッとしました。
しかし・・・(T_T)。

ファミリー映画とは言え、内容は、暗かったり、ショッキングだったり、不幸があったりです・・そんな中でも彼らは、困難に立ち向かって力強く生きてゆくのです・・・。

これを読んで、私がひとつ思ったことは、「昔の人は、強かった」ということです。
今は、人間がデリケートになりすぎているのかも。

1984年にジョディ・フォスター主演で映画化されています。スージーも登場するようなので、後半がメインなのでしょうか。
驚くことにコメディー映画なんですよ。
私が本を読んだ印象は、コメディーとはかけ離れているのでびっくりです。どんな風に描かれているのか、見てみたいですねぇ。
前半だけなら、再映画化しても面白そうですが、全編通してだと衝撃的な内容が多いので、無理かも。 (2016,04,26)