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劇場
又吉直樹


一番会いたい人に会いに行く。
こんな当たり前のことが、
なんでできへんかったんやろな。
かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説 (帯より)



不器用で、欠点だらけの主人公、永田の恋愛と、彼の舞台への情熱が描かれます。

読んでいて、とても苦しかったです。
彼の考えや行動は、少しは分かるところもあるけれど、でも、人は、もう少し、他人と折り合いを付けて、生きていくものだと思うので、共感しにくかったです。
特に、メールでの言い争いは、見苦しく、その後の人間関係を思って暗澹としました。
でも、案外、あのような舞台とか、演劇とかしている人って、そういうことには、免疫があるのか、その相手が、またひょっこりと現れたりするので、驚きましたけど(^_^;。

そんな人たちの中にあって、永田のような”変人”の彼女となった、天真爛漫で、人を疑うことのない天使のような沙希が、心を少しずつ蝕まれてしまうのは、必然だったのかもしれません。
どうして、もっとちゃんと彼女を見てあげないのか。
”空気のような存在”なんて、よく言ったものです。
ないと困るのに、なくなるまで気がつかない・・・。
そんな永田に、どうしようもない憤りを感じました。

でも、ラストは、「ほれ、見たことか」とか「今更遅いんだよ」とか思いつつも、永田の失ったものの大きさに、心の中で泣きました。

「火花」は、ドラマや映画になりましたが、この作品は、主人公のキャラクターが、特異なので、映像化はしにくいかもね(^_^;。 (2017,12,26)