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めくらやなぎと眠る女
村上春樹


村上の手腕の前では、
ジャンルという言葉は意味を失う。
スリル、笑い、悲しみ、感動、恐怖・・・・
一瞬にして、すべてが訪れる。
(The Atlanta Journal-Constitution)



「ハナレイ・ベイ」の映画が上映されると聞いて、再読しました。
どんな話だったかすっかり忘れていたので・・・(^_^;。

短編です。
以前読んだときは、「東京奇譚集」という短編集で読んだのですが、今回はこちらの短編集で読みました。
ここには、24の短編が収められていて、以前読んだ「東京奇譚集」に収められていた他の短編も、そのまま収録されています。
この本は、外国の読者向けに編まれた短編集で、中には、大幅な描き直しをしたものもあるそうです。
読み比べてみると面白いかもしれないですね。

お目当ての「ハナレイ・ベイ」ですが、映画を見る前に読んだのですが、映画のキャストが分かっていたので、ヒロインのサチに、吉田羊を思い浮かべながら読みました。
映画を見たときにも思いましたが、この役は、彼女にピッタリでした。
自立した女性で、物事を突き詰めて考える性格のようです。
外国で一人息子が不慮の事故で亡くなり、その後始末を一人で淡々と進めてゆくサチ。
もし自分が彼女の立場だったらと思わずにいられませんでした。
そして、彼女のようには、絶対出来ないと、情けなく思うのでした。

24も短編があるので、バラエティー豊かですが、一つ言えるのは、どれもこれも、不思議な物語だと言うことで、やっぱりちょっと苦手かな(^_^;。
印象的な話は、たくさんありますが、というか、全てが印象的なのですが、特に記憶に残ったのは、「蟹」。おぞましいです(T_T)。 (2018,10,30)


映画「ハナレイ・ベイ」