| 定義 | 表皮嚢腫および毛包嚢腫は、上皮性の嚢腫壁を有する非腫瘍性腫瘤である。 |
| 病因 | 表皮嚢腫は、表皮由来の角質物質が、真皮内へ埋没することにより生じる。毛包嚢腫は、毛包狭部が閉塞し、その結果毛包脂腺系の分泌分が蓄積することにより生じる。 |
| 臨床的特徴 | 犬によくみられ、猫ではあまりみられない。 品種、年齢、性による好発要因はない。表皮嚢腫は、限界明瞭で柔らかく無痛性の、直径5cmまでの腫瘤で、体幹の背面および側面がもっとも一般的であるものの、体中のどの部位にも生じる。ときおり嚢胞内部と皮膚表面をつなぐ開放性の孔がみられる。内容物は表面に破裂する可能性があり、柔らかい顆粒状あるいはペースト状の性質を有し、黄色がかかった灰色をしていることが多い。毛包嚢腫は、四肢や頭部により多く見られ、表皮嚢腫よりも小型で硬く、ほとんどの場合直径2〜5mmである。 |
| 類症鑑別 | ・膿瘍 ・血腫 ・皮膚腫瘍 |
| 診断法 | 臨床検査、吸引細胞診、および切除した嚢腫の割面の所見から診断する。切除標本の病理組織学的検査により臨床診断を確定する。 |
| 治療 | 罹患動物は新たな病変を生じる傾向が強いものの、外科的切除術が有効である。嚢胞を押しつぶすことは、真皮内へさらに物質をしぼりだし、さらなる反応を誘発する結果にしかならないため、飼主にやめるようアドバイスする。 |
| 要点 | ・嚢胞をつぶして押し出そうとしないこと。そうすると皮膚炎が続発し、嚢腫が再発することは確実である。 |
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| カラーハンドブック 犬と猫の皮膚病 発行発売元:株式会社Medical Science/株式会社Interzoo ISBN 4-89995-153-1 C3047 |