学校飼育動物を考えるページ  全国学校飼育動物研究会


自治体と獣医師会

 子どもたちのための学校の動物飼育支援体制を長く維持するためには、獣医師、学校、行政の3者ともに無理の無い契約が望まれます。 
     

学校飼育動物が怪我や病気の時、動物病院を利用するか?利用しない場合の理由は?
西東京市での実践例

群馬県獣医師会 ふれあい教室事業
群馬県では学校獣医師を市立小学校に指定しました。
獣医師会が飼育動物の治療費を負担してた1例

 学校飼育動物が怪我や病気の時、動物病院を利用するか?利用しない場合の理由は?
  支援体制のあるところと、無いところの比較・          

回答者(公立小学校、回答率100%)
 
平成9年 東京都獣医師会北多摩支部管内の全公立小学校へのアンケートから
北多摩支部調査
 小平市、保谷市と田無市では市行政と獣医師会の学校飼育動物に関する契約が出来ており、年1回の学校訪問指導と治療をしています。それで3市内では全ての学 校が何かのとき動物病院を利用すると答えています。
   
(保谷・田無市は06年現在西東京市に合併)
 東久留米市は、同じような契約がされていますが、訪問指導がなされていないため契約を知らない学校が予算上の問題で動物病院を利用しないとしています平成17年、あらたに学校訪問をいれた契約が結ばれ、充実化をはかった。

























 残りの2市ではまだ契約がなされていないため多くの学校が予算を心配して、動物病院を利用しないとしています。
(平成12年度に清瀬市も教育委員会と獣医師会との連携が出来ました。)
 やはり市行政と獣医師会との連携が、学校に対する安心感を与えるためにも必要と言えます。
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保谷市での実践例 (平成9年報告)

「飼育指導を含んだ教育委員会と地域獣医師会との全国で初めての連携例」

保谷市獣医師会では

 昭和57年より市内の公立小学校の飼育動物を無料診療していたが、動物の飼育環境が改善されないため治療件数は減少せず、獣医師は その負担に疲弊していた。

 平成3年になり、実態を認識した教育委員会が予算化をし、保谷市獣医師会に「学校飼育動物の診療と飼育指導」の業務委託した。 平成16年田無市と保谷市はがっぺいされ西東京市になったが、この動物飼育支援事業は引き継がれている。
 
西東京市の獣医師会員の活動内容

市内19公立小学校での
1)飼育指導・・契約初年度(平成3年)には講習会を飼育担当と養護の先生方にした。次年度からは各校を訪問しての飼育指導をしている。   
   なお、獣医師会で発行した飼育マニュアル「動物通信を各校に配布した。

2)児童への指導・・学校から依頼を受けて飼育委員会の活動時や生活科の授業で飼育指導のほか、生命の尊さや、親子の情愛を理解してもらうため「動物との交流のし方や、動物の親子の話」をしている。 また飼育学年に飼育導入授業として、動物の気持を説明したあと、抱っこ体験つまり穏やかな接触が持てて、愛着を培うように支援している。
3)傷病動物の診療
 現在では、診療件数は初年度の半分ぐらいに減少している。
 傷病が減少した原因は、獣医師会の助言によって飼育舎が改善されたこと、と飼育数を減少させたこと、の2点と思われる。

その他力を入れてきたこと

学校に、飼育を教科に位置づけて、保護者の休日支援システムをつくるように助言。

教師に、飼育の意義を伝えることと、児童への動物とのふれあい指導
    飼育舎の構造改善への助言( 見取り図を示して )
    飼育数の少数化(特にウサギの避妊、去勢手術)
    動物と児童への衛生上の指導
    動物の病気の見つけ方についての指導
  
 *つまり、児童並びに学校の方が「動物に関する基礎的な知識を得るよう」に支援している。
                   
現在 西東京市では、全19校の約半数が学年飼育をしており、6校で保護者の休日支援体制がある。また教科に位置づけている学校は、5校になっている。

小学校の先生方の感想は
 ゆとりのある動物飼育を児童と共に楽しめる
 獣医師に何でも相談出来き、この地区はとても気が楽だ

行政の反応
 飼育動物に関わる問題が全く無いのは、獣医師会の協力のお陰と感謝している
 
獣医師会の考え 
 傷ついた動物を抱えて動物病院にくる子どもたちの悲しむ顔を見ないで済む
 子どもたちの動物を可愛がり、一緒に楽しむ顔を見られて幸せ
 先生方のお手伝いが出来て良かった               

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獣医師会が飼育動物の治療費を負担してた1例

福岡市獣医師会
 平成5年より獣医師会として公立の小学校と幼稚園の飼育動物の治療に関わっている。また同時に、教育委員会の後援で「飼育動物スケッチコンクール」を開催してきたが、昨年から教育委員会は後援ではなく共催になった。その他、教職員や児童向けに、動物飼育に関わる講師の派遣も考えている。
 なお、教職員が治療費の心配なしに学校が動物を動物病院に連れてくるようにと治療費を無料にしている。診療獣医師には会から1件当たり1000円〜3000円を補助している。しかし実際は、これも会員の会費でまかなわれているため財源が乏しく平成11年3月頃は支払われていなかった。
 平成11年3月までこれらの活動について、獣医師会が行政に要望していないこともあって、金銭的援助は全く無かった。
 動物の診療実績は毎年増加し、平成5年には127件であったが平成9年度には184件になった。平成9年度の獣医師への負担総額は86万円を超えた。獣医師会のこの活動を将来も続けるためには、行政の補助が不可欠であった。

 平成11年4月になり福岡市教育委員会は、福岡市獣医師会に対し100万円程度の補助金を手当てする事を申し込んできた。獣医師会はこれを受けることにした。そして、それについて児童の為に役に立つような活動を検討した。

  その後、行政と獣医師会は協議し飼育動物飼育指導を含んだ契約を結んだが、それについては全国連携の表に記載しました。平成13年3月にまた、連携の内容が進みました。
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