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獣医師広報板のキャラクター:ココロちゃん獣医療はビジネスなのか?
文章:プロキオン(獣医師)
初出:2005/05/18
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獣医療は、ビジネスか否かという問題であるのなら、何も他人に聞くまでもなくビジネスです。
職業として、「獣医師」という職種がある以上は、その為した仕事に対して対価が生じるのは当たり前のことといえます。

掲示板に多く書き込まれる意見としては、「自分は犬や猫を助けようとして良い事をしようとしたのに、何故自分がお金を請求されなくてはならないのか」という疑問をよく目にします。
良いことをしてお金を請求されるのは不条理では無いかという疑問なんだと思います。
でも、それは本当に不条理なことなのでしょうか?

獣医師というのは、税務署の分類でいけば、美容師さんや理容師さんと同じ位置にあって、技術を売るサービス業に該当しています。
「医療技術」を扱っていても医師のような税制上の優遇はありません。
すなわち、公益性を認めてもいないし、求められてもいないのです。

分かりやすく申しますと、公園にホームレスの者がいたとして、その姿を見兼ねた人間が、理髪店へ連れて行って、「かわいそうだから、シャンプーをして散髪してやってくれ」とその店の主人に言えば、店の方では同伴されてきた方が料金は支払ってくれるものと受け取ります。
これは、世間的に考えて、常識と受けとってよいと考えられます。
では何故、動物病院に限っては、そのように考えて貰えないのでないでしょうか?

街にある多くの動物病院は、入院で預けられたまま引き取りに来ない猫や玄関先に捨てて行かれた動物等でほとほと処遇に窮しています。
そのような経験をしたことのない病院は、まずないのではないかと考えられるくらい当たり前のようにあることなのです。
知り合いや患者さん達に頭を下げて、引き取りをお願いし、ワクチン接種しますからとか、避妊手術しますからとか言って、本来であれば代価を得るはずの行為を無償で実施したりして、それらの動物の引き取り手を捜すことになります。
獣医師なのだから、当然のことと考えないでください。
獣医師にも生活がありますし、家族も養わなくてはなりません。
病院に必要な医薬品や器材というのも飼い主さんが、考えているのよりもずっと高価なのです。
そういう必要なものを揃えるためのお金が、捨て犬や捨て猫のために削られていくのです。
「動物が好きなんだから当たり前じゃん」、とか、「動物をネタに食っているんだから、たまにはタダ働きくらいしないと罰があたる」という発言も実際に耳にしたことがあります。
でも、みながみな、このような考えで動物をもちこめば、病院が立ち行かなくなることは時間の問題です。

猫については、3軒先へ行けば、もう野良猫と区別がつきません。
「この子は、私の猫でありません。
餌だけ食べに来る猫なので、安くして下さい」という注文のなんと多い事か!!
携帯電話の番号だけで、住所が偽りの診療申込書もいっぱいですよね。
「今、手持ちのお金がない」と言いながら、いっこうに支払いがないので確かめたら最初から支払う意志がなかったという意図的なケースです。
ですから、動物病院も連絡先が固定電話ではなく、携帯の番号しか書かない飼い主というのは、一応、用心してからの必要があるのです。

「動物が好きなら、飯のネタなら、たまにはタダ働きしろ」という理屈がまかり通るものなら、街のラーメン店やファミレスで、「料理が好きなら、それで飯くっているなら、」と無銭飲食しても警察ザタになることもないはずですよね。
ですから、「自分が料金を支払わなくてはならないこと」を動物を保護した方が不条理と考えてしまうことに合理性が欠けています。
世の中の仕組みからいけば、その考えてしまうことの方が不自然なのです。
私は、街の病院で捨て猫で窮していない病院はないのではないかと言いました。
そうなのです、どの病院も困ってあれこれ悩んでいるのです。
その姿が目の一端に映っていたからこそ、動物病院へとなってしまうのです。
でも、ただ、単に病院へ持ち込むだけなら、病院の負担を増やしているだけであって、病院にとっては、むしろ困った来訪者なのです。
「動物愛護」を盾にとって病院を攻める(責める)のなら、逆に自分もそれらの活動の一端を担うべきなのです。
無償を求めるのであれば、自分も違う形で協力できる代価を考えなくてはならないのです。
ボランティアは、他人に強制すべきものではありませんし、自発的かつ自分にできることの範囲で実施されるべきかと考えます。

自分は動物を助けようとして良いことをしようとしたのに、それに応じてくれなかった動物病院を不誠実と感じられたという方は少なからずいるかと思います。
「愛護や保護と言う名のボランティア」を期待する考えと、「ボランティアばかりではやっていけない」動物病院の台所事情のすれ違いなのです。
どちらか、一方が悪い、おかしいという問題ではないと思います。

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