獣医師広報板トップページ動物よくある相談メニュー食糞症
獣医師広報板のキャラクター:ココロちゃん食糞症
文章−プロキオン(獣医師)
初出:2008/02/05
◆「動物よくある相談」利用についての注意事項
★情報は自己責任でご利用ください。
★記載されている記事は獣医師広報板の掲示板に投稿されたものが中心で、獣医師広報板の
 見解を代表するものではありません。
★飼育方法の質問は意見交換掲示板をご利用ください。
◆こどもあんぜんサイト宣言◆
こどもあんぜんサイト宣言

犬の食糞行動=ウンチを食べるは、飼い主さんにとっては問題となる行為ですが、犬自身にとっては別に異常な行為ではないと考えています。特に子犬にとっては「糞」を食べているという認識はなく、ただ単に「食べ物」を食べているという感覚なのではないでしょうか。

この説明には、よく狼の群れが引き合いに出されます。狼は群れを作って狩りによって獲物を仕留めます。この狩りは追跡によって行われることが多いため、獲物を仕留めた場所は赤ちゃん狼達がいる巣穴からは遠く離れてしまっていることが普通です。そこで親狼達は、獲物をいったん食べて胃の中で半分くらい消化した状態にして巣穴にいる赤ちゃん達に持ち帰ります。そして、それを吐き出して赤ちゃん達に餌として与えます。獲物を咬み裂いて飲み込んでしまうほうが巣穴に帰るまでに他の動物に横取りされにくくなりますし、親狼達も獲物をくわえたまま行動するより身軽になって都合が良いというわけです。赤ちゃん達にとっても消化しやすい食べ物になっていて好都合ですね。

胃で半分消化してから吐き戻して与えるものは「食べ物」として私達人間は受け入れやすいでしょう。ですが、十二指腸にある物はどうでしょうか? では、空腸では? 回腸では? 直腸まで行けば、人間の目から見た場合、それは糞かもしれません。でも、消化された食べ物が進んでいく道筋において、どこまでが食べ物でどこからが糞=排泄物という明確な区別はないのです。

これが、ウサギのように、盲腸によって食べた草の分解を行って、それも栄養源としている動物であれば、「盲腸糞」のように糞も欠くことのできない大切な食べ物ということになります。「盲腸糞」は結腸や直腸で消化吸収しきれなかった栄養源を含むものであり、消化管内で生成されたビタミン等も混ざってウサギの生存には欠かせない食べ物です。
馬もまた盲腸の働きに依存している動物です。盲腸以降の消化管だけでは栄養を吸収しきることができませんので、とにかく大量の餌を食べてこれを補わないとなりません。したがって、その糞もまた栄養分が多量に残されている食餌の残りカスといえます。このため、馬においても「ボロ喰い」と呼ばれる食糞行動が見られます。

このようにして見てくると、「食糞」という行動が必ずしも異常な行動ではないことがわかると思います。食べ物をどのような方法でいかに効率よく摂取していくかという食物戦略の一端ということになりますね。
人間の祖先は、生息環境や病気の流行予防等の理由から、糞便の再利用ではなく、新鮮な食べ物を新たに求めるという食料戦略をかなり早い時期に選んだのではないでしょうか?
それがあまりに昔であったがために、理由もあきらかでなくなんとなくイメージのみで、糞を食べる動物に対して「違和感」や「嫌悪感」という形の脳からのシグナルを受け取っているのではないでしょうか?

ただし、食糞行動に関わる衛生問題については、これらとは別個に考えないとなりませんね。飼い犬の場合、排泄した糞を飼い主が片づけずに放置している環境が食糞行動と関係していることがあります。
また、ストレス等によりわざと「飼い主がいやがるから食糞をする」場合もあります。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。


トラ
うろうろしてます
多摩動物公園
saito
画像募集中!!(無料)
画像集

◆令和6年能登半島地震動物関連ニュース

◆獣医師広報板の主張

◆獣医師広報板管理人の独り言
利用上の注意事項&メニュー
2024年2月のBest
  1. いわゆる欧米と日本の動物福祉について基本的な考えの違い(265)
  2. もし、ある日突然動物愛護を名乗る者がやってきたら(250)
  3. 私の獣医師国家試験受験裏話(101)
  4. 大阪万博ペット同伴絶対反対(94)
  5. 病院&処方箋薬局で3000円、動物病院での1万円、実は医療費は同じ(82)
  6. 航空機事故時のペット同伴議論について(74)
  7. 繁殖犬の年齢制限犬のみ扱う団体は動物保護団体か繁殖業界の下請けか(71)

◆獣医師広報板よくある質問(FAQ)

◆獣医師広報板からのお願い
獣医師広報板をご利用、本当にありがとうございます。
獣医師広報板は個人サイトですが、その運営はボランティアスタッフが担い、運営資金はサポーターの応援に頼っています。
獣医師広報板は多額の累積赤字を計上しております。
サポーターは企業でも個人でも結構です。
ぜひ、獣医師広報板をサポーターとして応援ください。

◆PC版コンテンツ利用数ベスト7(2024年2月期)
  1. 管理人の独り言(6,975)
  2. 猫のカロリー計算(6,123)
  3. 犬のカロリー計算(3,923)
  4. 動物よくある相談(3,739)
  5. ペット動物獣医師セミナー(2,414)
  6. 広報板カフェ(1,929)
  7. 迷子動物、保護動物掲示板(1,758)
コンテンツ別アクセス数

◆電子図書
電子図書「"犬と麻薬のはなし−麻薬探知犬の活躍」は、2022年2月23日より第四版になっております。
新しいエピソードも追加され、データーも更新されています。
第一版、第二版、第三版を読まれた方も、是非第四版をお読みください。
犬と麻薬のはなし−麻薬探知犬の活躍−第四版2022/02/23公開

◆一般市民向けの動物に関するセミナー・イベント
★毎週土曜日午後1時〜4時
ペットロスホットライン
ペットロスホットラインは、今のお気持ちをお聴きする電話です。
★WEB講座
★〜3月30日:東京都中央区
★〜3月31日:愛知県名古屋市
★〜4月20日:募集期間
★3月30日:東京都大田区
★3月31日:大阪府大阪市
★4月4日-7日:東京都江東区
★4月7日:愛媛県伊予郡
★4月13日:東京都武蔵野市
★4月14日:オンライン
★4月14日:東京都新宿区
★4月14日,5月12日,6月23日:鳥取県倉吉市
★4月21日:埼玉県さいたま市
★4月21日:兵庫県尼崎市
★4月24日:インターネット
★4月24日:広島県広島市
★4月25日-5月7日:大阪府守口市
★4月28日:東京都台東区
★5月3日-4日:大阪府大阪市
★5月3日-5日:千葉県千葉市
★5月11日:東京都大田区
★5月18日:愛知県長久手市
★2024年6月2日:東京都豊島区
★7月13日-15日:愛知県名古屋市
★7月13日-9月23日:大阪府大阪市
★9月20日-22日:大阪府大阪市
★10月27日:兵庫県神戸市

セミナー・イベント情報はメールにて広報内容を送ってください。(掲載無料)

◆ペット動物獣医師&動物看護師向けの動物に関するセミナー・イベント
利用上の注意事項&メニュー

◆経済動物獣医師向けのセミナー・イベント

◆公衆衛生獣医師獣医師向けのセミナー・イベント

◆実験動物獣医師獣医師向けのセミナー・イベント

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。