はじめまして。日本の獣医大学で教員をしてる夏堀と申します。

基本的に、海外の獣医学校（大学）を卒業し、または海外で獣医師免許をした場合は、日
本国内では改めて日本での獣医師国家試験を受験して合格し、獣医師免許を交付されなけ
れば日本では獣医師として働いたり開業したりできないようです。（獣医師法第１２条に
その基準があります。）
獣医事審議会が、日本国内の獣医大学を卒業した者と同等以上と認定した場合に、日本で
の獣医師国家試験の受験資格が認められます。
ですから、米国の獣医大学を卒業した場合はおそらく日本の獣医師国家試験の受験資格は
問題ないと思います。この獣医師国家試験、日本では毎年３月上旬に２日かけて行われて
います。

私から見れば、せっかく米国の獣医大学に進学されているのですから、まずそちらで獣医
師免許を取得しておけば、そちらの獣医師免許の方が国際的に通用するとか、何かのメリ
ットになることは間違いないと思います。そちらで米国の免許取得後、帰国されて日本で
獣医師国家試験を受験すれば、日本の免許も取得できるわけですから。

実際に、国際的に獣医学教育や獣医師免許の世界基準が叫ばれていて、欧米間ではかなり
共通化されてきたのに対して、日本の獣医学教育はまだまだその世界基準から取り残され
てきている感がありますし、海外での日本の獣医学教育の評価もまだまだ欧米並に達して
いないとみなされています。日本の大学の人間がこんな事言うのも変かも知れませんが、
私も欧米の獣医大学に留学した経験上、日本の大学の獣医臨床教育はまだまだ発展途上で
すね。逆に言えば、これからまだまだ伸びる余地が十分残された領域といえますが。。。