獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199810-108

避妊費用の公的負担について
投稿日 1998年10月28日(水)02時54分 kikko

生き物を飼うという事は能動的な事なのです。
それはつまり、飼うのに必要な費用も責任も負うという事を意味します。
無論、たまたま何匹も捨て猫を拾った、ケガしていた野良猫を拾った、
というような場合、初期費用が少々重荷になることはあります。
(まけてくれる病院も多いですが。)
その場合、こういう制度はきっかけとして喜ばしい事といえます。
不幸な猫が少しでも減るわけですから。

しかし、たとえば、わざわざ生き物を買っておいて、
避妊の費用を税金で、というのは何かおかしくはないですか。
普通、どんなに安い犬猫でも3万円くらいはするでしょう。
そういう余裕がある場合は自分で出すのが当然ではないでしょうか。

手放しで礼賛するには、無責任な人間にも都合が良すぎますね。
女性なら化粧品の2、3点、男性なら外で2、3回飲む程度の費用なのですから、
自分の’モノ’に基本的費用を出し惜しみすべきではありません。
もし利用したなら、本当にぎりぎりの人のために、
それなりの愛護機関に相当の寄付くらいすべきでしょう。

(ちなみに、責任という観念の欠如している地方の事については
 私の理解する人間という概念を超えますので、この限りではありません。
 みながそういうレベルなら税金で行うのが正しいです。)

難しいことですが、ただ(税金)でやればいいのだという考え方に
手放しの礼賛はできません。
一番悪いのは無責任な(捨てる)人間なのですから。

無論これらの制度はそれなりの進歩であって、喜ばしいことなのですが、
あまりエスカレートして元も子もなくなる事のないように
苦言進呈。
拾った猫のために持参金をつけてまで里親を探す人もいるというのに
飼い主が出し惜しんでは恥ずかしいではないですか。

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