獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199810-4

RE.脊椎症について
投稿日 1998年10月1日(木)10時01分 田口正行

ハスキーさんの症状から、確かに脊椎疾患と考えられます。
今後の治療としては、まず脊椎障害の程度を確認すること(痛覚があるのかないのか、等)です。
これにより、緊急に手術が必要かどうかがわかります。
もし足先の骨を鉗子などで強く圧迫しても痛がらないようなら緊急状態(深部痛覚の欠如)です。
ついで、病変の部位を決める必要があります。
これには脊髄像影を行いますが、話の内容からすると頚部から胸部の脊椎の障害が疑わしいと考えられます。
これらを判断して治療が決定されますが、もし手術をするときには神経障害発症後なるべく早くしたほうがいいとされています。
深部痛覚が残っている場合に手術の成功率は80から96%、
深部痛覚が欠如して48時間以内に手術した場合には時間の経過とともに成功率が低下し、12時間以内では56%なのが36時間では25%にまで下がります。
また、48時間以上時間の経過してしまったときには5%程になります。
厳しい成績だと思いますが、この数字はアメリカで、外科の専門医が手術した場合の数字ですから、日本の一般的な獣医さんではもう少し成績は悪いかも知れません。
まず正確な診断(これが一番大変だと思いますが、、)をつけてください。

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