獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199905-97

フィラリアの予防薬と餌
投稿日 1999年5月11日(火)14時10分 プロキオン

陽子さんへ
すでに、レスがついていますし、その内容も薬についてよく理解され
ており、適切なので屋上屋を重ねることになりますが。

私はどちら獣医師の言い分も妥当だと考えます。フィラリアの予防薬
は本来血液検査の後に処方するのが原則です。
しかし、私も検査しないで処方することがあります。飼い主さんが信
頼できる人であり、寒くなってからもキチンと服用させてくれる人で
あり、犬も飼い主が見ていないところで薬を吐き出したりしない犬で
あることを承知している場合です。
それ以外に「咬みつき犬」で採血させてくれない犬では、検査なしで
出しています。この場合は投薬による事故が起き得ることを飼い主さ
んが了解していることが絶対条件になります。そしてこれらは再診の
犬に限ります。
初診の犬では、血液検査ははずせません。初診で採血不能の犬は、低
薬用量から服用させて、徐々に薬の量を増やしていき、投薬事故が起
きないことを確認しながら、正規の薬用量まで持っていくようにして
います。
初診で血液検査をしない場合は、昨年の蚊の季節を経験していない子
犬です。検査してもあまり意味がないので。

投薬開始時期については、地域差があります。私の周辺では5月下旬
か6月初めくらいと考えています。
でも、心配症の方はすでに4月から持っていかれています。これもあ
まり実効性はありませんが、飼い主さんがそれで安心できるのならと
いうことです。
「獣医師を儲けさせるだけ」とおっしゃられた先生の言葉ですが、笑
って言われたのであれば、私も賛同できますが・・・・。

あと、体重を測って「水薬」を処方してもらっているそうですが、現
在製薬会社から出ているフィラリアの予防薬に水薬はありません。自
家処方のお薬かもしれません。ひじょうに効果が不安定で、フィラリ
アの感染を防止できずに、裁判に成った例があると聞いております。
私にはこちらの方が気がかりです。

餌についても、同じく両方の獣医師の言い分にそれぞれの理屈にあっ
た事例があります。一般の餌とプレミアムフードではやはり異なりま
すし、メーカーによっても同一視できません。特定のメーカーの特定
の商品についてでないと、論議が噛み合わないので、結局はすれ違い
に終わることになるはずです。
現時点では両方の先生が自らの信じるところを述べているのであって、
どちらが正しいとも言えないと思います。フードにもいろいろな種類
がありすぎて、1つのペットフードとしての概念にまとめるのには少
々無理があります。家庭で給餌する餌についても、同じく問題点はい
っぱいあります。どちらが良いとは言い切れないのではないでしょう
か?

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