獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199906-35

患者が情報収集すること
投稿日 1999年6月2日(水)22時33分 くまこ

ただのうさぎ飼い主のくまこです。
獣医さんにとって飼い主がペットの病気について勉強するのはどう思われるのでしょうね。
「うるさそうな飼い主だな」と思われるのでしょうか、「手後れにならないうちに連れてこれそうだから好ましいことだ」と思われるのでしょうか。
私は勝手に後者だと思っていますが、飼い主の方が前者だと思っていて、知っても仕方ないと考えたり、遠慮して聞かなかったりするのは悲しいことだなぁと思います。

私は自分のうさぎを昨年 かなり有名な2つの動物病院で診てもらって、1件目で不適切な処置、2件めで誤診とそれに基づいた不適切な治療を受け、結局 さじを投げられました。
2件めが紹介してくれた病院では、かなりひどい臼歯の不正交合との診断を即座に受けました。その時に思いました、あぁ結局は飼い主がしっかりしなければならないんだなと。
無意味な治療に奔走したこの2ヵ月の間、もし正しい処置を受けていればこんなにひどくはならなかっただろう、と思うとかわいそうでなりません。私も不正交合のことを知っていれば、早い段階でおかしいぞと思えたのではないかと思うと無念です。でも悲しんだり腹を立てたりしてもうさぎは救ってやれないのです。
それから自分が病気についてもっと知らなければならないと思い、できる限りの手段で情報を集めることにしたのでした。

それは別に獣医さんと論議しようとか、間違っていたら指摘してやろうなどというのではありません。うさぎの医学を本で読んだりインターネットで情報収集したところで、そんなの机上の知識です。ただ予習があれば獣医さんの説明も 多少スムーズに理解できるし、突っ込んだ話も聞けます。
そうこうしながら築かれる信頼関係は、うちみたいな難しくて緊張に満ちた闘病生活を送る者にはとても有益です。

こんな経験をするまでは獣医選びについてもそれほど考えていませんでした。
うさぎが診れるという病院に行けば治してもらえるだろうと思い、ただうさぎとの楽しいくらしを送っていたのでした。
でも今やペットを飼う重さを実感しています。癒されるとか楽しいとかよりも、精神的・肉体的・金銭的に厳しいことが多いときもあります。でも一度生活を共 にしたからには彼女の運命は私が握っているのであり、できるだけ快適な生活をおくらせてやるのが飼い主の義務だと考えます。
自分の子が生れるなら育児書を読んで病気の予防と早期発見に努め、難病に罹ったらより良い治療を求めて駆けずり回るのと同じです。それと同じレベルで、飼い主ももっといろいろ知っておく必要があると思ったのです。
むしろ 人より体の小さい動物=病気の進行が早い動物の場合、病気が来るまで何にもせずに慌てて駆け込むというのは危険すぎないかと思いました。特に、病院選びが難しいのは、マイナーなペットの飼い主の宿命、それをカバーするだけ飼い主がちゃんと把握していなければ救える命も救えないかもしれません。そんなやりきれない思いをしないためにも、情報は有益じゃないかと思います。

ペットとの関係は人さまざまでしょうし、それによって獣医さんに求めるものもさまざま、だからいろんな獣医さんがいて成り立っているんだと思います。結局飼い主さんの考え方次第だと思います。
私としては情報収集は趣味でもあり、義務でもあり、私なりの愛情表現でもあります。
それがいい獣医さんを探すのに役立てばラッキーです。現状では私にはこれが結構役に立っています。

ただ残念なのは、自分の愛するものが酷い状況になるまで、 このことが分からなかったことでした。


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