獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199907-77

熱射病について
投稿日 1999年7月8日(木)20時39分 まっつん

炎熱下で日光の直射を受けて発する障害を日射病、高温多湿の環境下で体温の放散が妨げられて発する障害を熱射病といいます。熱射病の臨床症状は過呼吸と虚脱です。まれに肺水腫なども合併し、末期には中枢神経麻痺のために呼吸数は減少します。また、嘔吐・下痢などもみられます。心拍数は上昇・口腔粘膜は明赤色を呈し、結膜は著しく充血しチアノーゼもみられます。痙攣・失神・卒倒などの神経症状もみられます。
熱射病も日射病も突然発病し、経過も急速です。痙攣を発したもの、体温の高いものほど予後は不良になります。
治療に関してですが、直ちに行わなければなりません。軽症のものは、風通しのよい木陰や涼しい場所に移し、冷水を十分に飲ませ、さらに頭部及び全身に注ぎます。10分おきぐらいに体温を測り、正常に戻り次第中止します。この後は電解質の補給と酸・塩基平衡の維持のための輸液を近くの獣医さんにお願いしてください。
以上、直射日光・湿気・換気・風通しに注意してあげてください。

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