獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200002-2

犬の問題行動について
投稿日 2000年2月1日(火)02時21分 LB’z

管理人様へ。
登録ボランティアではないのですが、以下の投稿をしても良いのでしょうか?
もし、ボランティアの方のみが返信を許されているのであれば、この返信はどうぞ削除してください。
お手数ですが、よろしくお願いします。

ゆき様
まず子犬を保護し、また手厚く看病して下さったこと、同じ犬好きとして心からお礼します。
ありがとうございます。本当に頭が下がります。
生後2ヶ月くらいで相当な恐怖体験をしてしまい、体調は回復したにせよ、依然身体的にも精神的にも痛みがある状態かもしれません。
ご近所の手前もあるでしょうが、是非、頑張ってその子犬の恐怖を癒してあげて欲しいと願います。
とりあえず、毎日、フトンをかぶった状態でも結構ですので、鳴きやむまで抱いてください。
子犬が悲鳴をあげるのは、親犬を呼ぶことを本能的に知っているからです。ですから、抱かれている状態は危険が無いことを本能的に悟るまで抱きつづけることです。その際、撫でることや動かすことは必要ないです。ただ黙って抱くだけで大丈夫です。
心臓に近いところで抱くことで、母犬を思い出すこともあるかもしれません。
★悲鳴をあげたら手を離すことは、悲鳴をあげることを助長してしまうことになりかねません。★
もし、まだケガの状態が良くなく、抱くことが難しいようであれば、いつもそばにいる状況を作ることも良いかもしれません。
恐らくすぐに慣れると思います。先住のワンさんたちと慣らすのは、それからでも遅くないです。
くじけずに頑張ってください。
毎日、状態観察日記をつけると、日々の進歩が見え心強く思えるかもしれません。

もとこ様
ポメラニアンの噛み付き問題は、実は結構多いです。
叱り方に問題があった場合、噛むようになることが多いように思います。
小型犬で、しかも四肢の細い犬種ですので、体罰は逆効果になりやすいです。
厳しく躾るというのは、体罰を行うことではないと思っています。
脅しも恐怖心を煽り、かえって攻撃的になることも多いです。
ただし、このような状態になってしまっている場合、矯正は家族全員の協力が不可欠です。
お勧めできる矯正法としては、ビル・キャンベル氏の提唱する方式です。
一度、家族全員が一斉に犬を無視するようにします。食餌と散歩以外は一切関わりを絶つ方法です。
アイコンタクトもしません。もちろん体罰は一切禁止です。
犬から寄ってきたら、必ずスワレやフセなどのコマンドをかけます。従った場合のみ、誉めながら短い時間(数秒間)撫でて上げます。そしてまた無視です。
吠えたり、かかってきても無視できる場合は無視します。危険な場合は完全に無視した状態で別の部屋などに移動します。
犬の方から近寄ってきて、何かを求め始めたら、コマンドをかけることを実行します。
無意識に撫でたり、テーブルから食餌を与えたりすることも一切禁止します。
2週間ほど経つと、犬の方から折れてくる状態になりますので、そうなったら、常にコマンドをかけることや、常に人間を優先する態度を徹底していきます。
当然食餌は人間が終わった後、同じフトンでは寝ないなど、いわゆる一般的に言われていることも実行するのは良いと思います。
上記を1ヶ月くらい続け、コマンドが徹底できてきたら、今度はひざに抱いてお腹を見せる状態でリラックスさせる練習をします。
最初はほんの少しの時間で結構です。少しずつ練習することによって、お腹を見せることが出来るようになったら、次にお腹を見せている間、マズルや腕などを軽く押さえ、ほんの少しの間じっとしている練習をします。
誉めながら行ってください。ただし、最初は必ず犬との距離を置く方法をとってからにします。

こうした状態になっている場合、散歩時に他犬に出会うと攻撃的に吠えたり向かっていこうとすることも多いようです。
相手が大型犬であった場合、2秒で噛み殺されます。また一緒に散歩をしている人まで噛まれることもありえます。
犬が可愛ければ、今からでもぜひ躾を考えるよう、婚約者の方とご家族にお伝えして欲しいと思います。

噛傷事故の原因について、以下のサイトで詳しく説明してあります。参考までに
http://www.peppynet.com/docadvice/index.html
また、しつけについては以下のサイトでも紹介されています。
http://www.pet-vet.or.jp/petDog/Training/petDogTrainingTopMenu.htm
ご参考までに。
ご自分で書籍などを通して犬の行動を学んでみたいと思われるのであれば、前述のビル・キャンベル氏の「愛犬のトラブル解決法」というのがこの場合、一番適切かと思います。
ボランティアスタッフではないのですが、もしお役に立ちそうでしたらご一考ください。



◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:ホームドクター・専門診療・救急:神奈川最大級のプリモ動物病院グループ様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。