獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200002-69

不機嫌なマルチーズの件と、共働きで犬と暮らせるかについて
投稿日 2000年2月8日(火)04時07分 LB’z

鈴木主水様「マルチーズのご機嫌ななめ」へ
金曜日の投稿に対するレスとしては遅いかもしれませんが、不妊手術をなさってないということは発情の可能性はありませんか?
また、発情が終わって少しすると偽妊娠の症状を起こす場合もあります。
偽妊娠を繰り返す場合、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍の罹患率が著しく上がりますので、繁殖の予定が無い、もしくは、そのマルチーズちゃんを健康で長生きさせたいと望まれるのであれば、不妊手術を一考なさることをお勧めします。
そうした状況は無く、また今でも様子がちょっとおかしいようでしたら、獣医師の診断を仰ぐことを薦めます。
余談になりますが、繁殖を希望されておられるのであれば、繁殖に関する知識は必須です。遺伝疾患や性質、スタンダード等、詳しく勉強なさることを薦めます。

ICHIさま「共働きで犬と暮らす」
まず、子犬が育つ経緯の中で、7週齢〜9週齢は社会化の時期となります。(もう少し早く始まるのですが、最低7週齢以前に親兄弟から引き離されることは精神的に健康な犬を育てるためには避けるべきです)その時期、歯を使いはじめ、いろいろなものを噛んでみたくなったり、外の世界を見ることで外界に慣れたりする時期です。10週齢になると、恐怖を強く記憶できるようになります。小さなことでも子犬にとっては大きな恐怖の対象となります。トラウマ等はこの時期までに形成されることが多いようです。
また、子犬は数ヶ月に達するまでに、その一生の間に出会う可能性のあることを全て体験させるつもりでいることです。車に乗る。獣医に行く。他の犬を見る。公園に行く。人の大勢いるところを知る。他人を家に呼ぶ。乗り物が走っている場所を見る等、数え上げるときりが無いほどです。
当然、来たその日からトイレのしつけも必要になってきます。
ということで、最初の数ヶ月は本当に手をかける必要があります。
犬王国イギリスの犬の飼育頭数が減っている原因の一つに共働きの夫婦が増えたことを上げるとブルース・フォーグル獣医師は回答しておられました。
では、犬と暮らすことを諦めるべきかというと、道はあります。
すでに成犬になっており、事情で里親を探している小型犬を探すことです。
ただし、こうした場合、前の飼い主がきちんとしつけをしているかどうか疑わしい場合も多いです。事前に間に入っていただける方に、その犬の詳細を尋ね、心身ともに健康であることと、最低限のしつけは終わっている子を条件になさることです。
実は犬は成犬になってからでも、十二分に家族になれます。米国の共働き夫婦などは、保護団体に成犬を探すように頼むことも珍しくありません。
最低限のしつけが終わっている子であっても、その後のしつけは続きます。ですが、子犬のしつけに比べると非常に楽です。
子犬は確かに可愛いですが、特に小型犬の場合、それは半年も無い期間です。若い成犬で不要といわれてしまい良い家族を探している犬と暮らすこともご一考いただけると、ありがたいです。

長くなってしまい、申し訳ありません。

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