獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200004-218

>愛猫があぶない あみにゃん様  
投稿日 2000年4月20日(木)02時39分 NOKO

猫一匹と暮らしているものです。子どもの頃からいろいろな動物と生活しました。
4歳頃までは、農作業用の黒牛「くろちゃん」も同じ屋根の下で寝起きしていました。

18年とは、生命力の強い素敵なねこちゃんですね。
ご家族の愛情をいっぱい受けて、のびのびと幸せに暮らしてきたのでしょう。

私は2年前、大切にしていた甘えん坊のうさぎを病院で亡くしてしまいました。
1ヶ月ほどの入退院の末、犬や猫と並んだ病院のケージの中で、
点滴の針痕をたくさんつけたまま、ひとりで逝かせてしまいました。
(その入院中にこの広報板を知りました。)
亡くなる半日前、仕事の前に面会に行ったとき、甘える様子がどうも気になって
「もうお家に帰ろうね、先生がなんと言っても必ず帰ろうね。連れて帰るからね」
と約束してぎゅっと抱っこして…それがお別れになりました。
健康管理は?病院の選択は?治療に対する私の選択は? 今でも後悔だらけです。
「生きているものはなんだって、生まれたときからいつも死とワンセット」と
自然や動物や年寄り達に教わりながら育った私ではありますが、それでも、
悔しかったのは、あんなにかわいいこの最期を、なんとなく予感していながら
看取ってやれなかった、自宅で逝かせてあげられなかったことでした。

幼い頃から、兄弟のような動物達を亡くす度、家族は一緒に庭の木の下に穴を掘り、
亡骸が早く土に戻れるようにたっぷりの草や花を布団にして土をかけて、
湿った土に花の苗を植えてくれました。
やがてその小さな命は葉を伸ばし、花をつけ種を落とし、また翌年小さな芽を出しました。

街中の部屋でひとり、病死したうさちゃんを抱いていた夜は気が狂いそうでしたが、
翌日、半日かけてたどり着いた田舎の駅には老いた両親が待っていてくれ、
日当たりのいい庭先の小さな梅の下には大きな穴が掘ってありました。
蛍を追いかけ、お月見をし、蛙の鳴き声を聞いて、うぐいすの声で目を覚まし、
うさぎの「なな」は、にぎやかな自然に守られ、梅の木の下へ戻っていきました。
あの木の下には「ぽんちゃん」、この木の下には「ちゃちゃ」…
どの木もたくさんの思い出と涙を抱いて、今も大きく育っています。
赤ちゃんも老人も、犬も猫も、生まれて病んで老いて死んでいくのは同じです。
多くの幸せと悲しみと教えを私達に残してくれます。

長くなってすみません。「あぶない」というのにつらいお話をしてしまいました。
ねこちゃん、お母さまに見守られながら、安心して自分の生を全うしてくれると
思いますよ。年老いたもの、たくさん愛されたものは、離れていてもちゃんと
その強い思いをどこかで受け取る力を持っていると私は思っています。
長年住みなれたお家で、お母様に撫で撫でされながら…それが一番のお薬
ではないでしょうか。少しでもらくになるように痛み止めをいただくとか、
アロマテラピーを試してみるとか…
あみにゃんさんの思いが届くよう、ここで私もお祈りしています。



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