獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200006-440

よい獣医と飼い主の責任
投稿日 2000年6月29日(木)22時13分 panchi

久しぶりに書き込みをします。
週間現代の富田さま
私の考える良い獣医
その時の患畜の病状や状態に適切な対応ができる獣医だと思っています。
昨年、いろいろなことが起こり、良い獣医と悪い獣医ってなんだろう?
ということをいろいろ探究していました。
ある人との会話の中で出てきたのですが、医者(人医も獣医)は命を助ける
ことはできない。という話がでてきたのです。じゃあなんで医者やってるの?
とその時、思いましたが、今はそうかもしれないなと思っています。
その時の状態に適切な対応をしたとしても、救うことができない命もあるなと。
薬や手術は、生かす為にその病気を完全に治す為にしているのではないかも
しれない。その病気が治るための手助けをしているのかもしれない。
生きるって、その人であったり、動物であったりが、自ら生きることを選び
そして、病気が治癒する為に体が向かっていくから生きるということが
起こっっている。うまく説明できませんが、生きることを選んで生きている。
ということのような気がしています。
良い獣医って、確かに飼い主との信頼関係があったり、不安を取り除く為に
飼い主との会話をしたり、条件はいろいろあると思います。
ただ、今起こっていることに適切に対応できなければ、普段どんなにいい獣医
と言われても、ほんとにいい獣医かどうかはわかならいなあと思うのです。
命に関わることって、そういうことなのかなと思うのです。
ただ、医者でなくても、私達に人間は、命に関わって生きていないかというと
そうではなく、生きている人はみんな日々命に必ず関わっていて。
今の私は、飼っている猫や自分と自分に関わっている人との間で今起こっていること
に日々対応している私です。自分に起こっていることは、起こるべくして起こっている
。そして、そのことに対応することが、自ら生きることを選んで生きている
ということになるのではないかと思っています。
昨年、猫を亡くしたことで、生きるってなんだろう?とずっと探究しつづけています。
猫が生き絶えていくその瞬間といっしょにいたことは、未だに鮮明に記憶の
中に残っています。
今回の記事が、日々、死と生を目の前にして、対応している獣医の方々や
動物とともに暮らす飼い主も含め、ただ、良い獣医という判断材料だけでなく、
動物と人がともに生きるということを探究するきっかけになることを
願います。

掲示板を御覧のみなさまへ
書き込みを見ていて、飼い主の責任・自分の責任という言葉がよくあります。
私も自分で使いますが、動物と接する人間として、この言葉の責任というのは
何を指して言っていますか?
責任という言葉って、人によっていろんな意味があると思います。
日本語では、責任って、ひとつしかありませんが、英語だと
レスポンスィビリテウィー→対応責任
アカウンタビリティー→最終責任・精算責任
という言葉があります。
起こってくることに対応する立場をとることと、起こったことに対して
最終的にどんな判断をくだしどんな立場をとるかを検討し、立場をとって、
対応すること。
動物とともに暮らしている私は、この両方を責任を取ることが
私のとる責任です。猫に起こっていることに対して、今できる最善の対応をし、
そして、そのことで更に起こってくることに対しても引き受けるということです。
みなさんは、どうでしょうか?




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