獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200102-203

リカさん>
投稿日 2001年2月19日(月)20時59分 パールちゃん

犬飼いのパールです。

書き込みを拝見していちばん先に思ったのは、
「で、診察の結果はどうだったの?」ということです。
軽度の皮膚炎という診断がつき、治療方針が決まったのなら、
ジョンを獣医さんに無理にでも連れていった甲斐があったと、
喜んでもいいのではないでしょうか?

ジョンのように獣医さんに対して極度の怯えを見せる犬に対し、
ストレスを最小限にするために素早く、正しく診察するには、
その獣医さんのとった態度はごく自然だと思います。
仮にリカさんがジョンを抑えたとしても、
もがいたらかわいそうになって力をゆるめてしまうはずです。
それを獣医さんは見抜いていたので、
「私が抑えます」には耳を貸さなかったのでしょう。
「やめてください」と言われてやめるようでは、
なんのために病院に連れてきたのか?ということになってしまいます。
その獣医さんは、飼い主の気休めのために適当な診察をするのではなく、
本当に動物のための診療を考えているいい獣医さんだと私は思います。
動物相手の診療は、飼い主の目があるととてもやりにくいはずです。
優しく優しくやったとしても時間を長引かせるだけで、
それも動物にとっては大きなストレスとなります。
獣医さんによっては飼い主を待合室に待たせて、
別室で余計なこと(飼い主の動揺)を気にせずに
診療をしたいと思う人がいるかもしれません。
でも、ほとんどの動物病院が診療に飼い主を立ち合わせているのは、
診療をしながらふだんの様子を聞いたり、今後のことを指導したり、
飼い主と獣医さん合同の作業という意味があります。

飼い犬は飼い主にとって子供のように可愛い存在です、
とお書きになった気持ちはよくわかります。
幼児が注射を怖がって泣き叫んだら、お母さんは「よしよし」と声をかけ、
背中などをポンポンとたたいてなだめてあげますよね。
その間にお医者さんはタイミングを見て素早く注射をしてしまいます。
子供が泣き叫ぶからといって「やめてください」と言う親はいませんよね。
親が子供の不安を取り除く努力をするのと同じように、
飼い主は動物の不安を取り除き、診療をしやすくするための
協力をしなければならないと思います。

> あんな場面は見たくないし、泣き叫ぶ声も聞きたくないです。

ジョンの健康を願うなら、この思いは捨ててください。
リカさんの「見たくない、聞きたくない」のために獣医さんへは
二度と行かないのですか?
ジョンに罪はありません。
最初の獣医さんで、不安を取り除く努力が足りなかった飼い主の責任で、
ジョンはこうなってしまったのです。
ジョンの健康のためには、ジョンにも少しは我慢が必要だし、
リカさんの「見たくない、聞きたくない」も我慢する必要があると思いますよ。

もうひとつ付け加えると、その獣医さんから、
「こうしないとちゃんと診察できないから、我慢してね」っていう
一言があればよかったのかもしれませんね。
いろんなことを経て、飼い主と獣医さんは信頼を築いていきます。
その過程の第一段階だと思って、ジョンを託してはいかがですか?

リカさんに対して失礼なことも書きました。
許してください。


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