獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200105-144

渚さんへ
投稿日 2001年5月13日(日)14時47分 月代(つきしろ)

渚さんの飼うワンちゃんが健康そうだったのに、突然倒れてしまった。
私は獣医学生ですが、以前これとよく似た症状を経験した事があります。

以下、疑われる可能性のひとつとして、頭に入れておくと良いかもしれません。
「ナルコレプシー・カタプレキシー(睡眠発作)」
この病気は、起きている時間に、突然REM睡眠に陥ってしまう、神経学的な症状です。
パターンとして、浅い眠りが長く続く「過眠症」と
突然筋肉が麻痺を起こすように倒れる「睡眠発作」がありますが、
犬や猫にみられるナルコレプシーでは後者のほうが一般的です。
遊んで興奮したり、食餌や飲水中、飼い主に近づこうとするとき、
ケージから出るとき、など感情が変化するときや興奮したときに、発作は起こりやすくなります。
症状は、全身の筋肉の力が抜け、倒れて眼球が横に動くREM睡眠に入ってしまう場合と
後ろ足の力が抜け、座り込んでしまう、あるいは横になるが意識はある、という部分的な発作もみられます。
声をかけたりなでてやると、発作が終わり、起き出すこともあります。
この病気は、完治できませんので、治療のゴールとしては、症状のコントロールをすることです。
残念ながらこの病気の原因は、まだはっきりと解明されていません。
ただ、人や犬の遺伝子の研究から、常色体の劣性遺伝により遺伝することがわかっています。
これまで、遺伝的に発生が認められている犬種は、トイプードル、ミニチュアプードル、
ドーベルマンピンシャー、ラブラドールレトリーバー、ダックスフンド、ビーグル、ワイアーヘアードグリッフォン、セントバーナード、コッカースパニエル、アイリッシュセッター、ロットワイラー、コッカプー、ウエルシュコーギー、などです。
人で二酸化炭素不足によって起こる過換気症候群とよく似ています。
発症年齢は、4週齢から数年と幅があるようです。

また多頭飼育についてですが、キャバリアとプードルの両方オスということで、
子犬のうちに争うようであれば、大きくなってから争いが劇化する可能性もあります。
犬種の習性や気性傾向について、ご自身でできるだけ調べることをオススメします。
すでに病院には行かれたものと思っていますが、間に合わなかったら申し訳ありません。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~tukky/

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