獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200107-215

マルチレス
投稿日 2001年7月21日(土)15時47分 プロキオン

7月20日の kanさんへ
犬のひき逃げについての書き込みでしたが、このような場合、何故犬が事故に
あったかという原因によっても対応がことなると考えられます。つまり、飼い
主は何をしていたかという問題です。
今回は犬が1人でいるときに事故にあったと受け取られましたので、その場合
のお話です。

まず、犬の所有者が判明している場合は、所有車者に連絡をすることです。そ
の判断と意志が最優先される必要があります。
所有者が不明の場合ですと、事故の発生地を管轄する市長村長を通じて、県知
事へ届け出ることが法律によって定められています。届けを受けた知事(部局
)はすみやかに保護施設に収容して、必要な処置を施すとなっています。昨今
の動物管理センターはこのような場合の処置を施せるだけの機能を併設してい
ます。治療費は所有者不明なので県負担(税金)となります。
したがって、現場で警察官が保健所に連絡したのであれば、このことは念頭に
あったと考えても良いのではないでしょうか。もし、最寄りに動物病院があっ
たとしても費用負担が不明なまま警察官が持ち込むというのは、動物病院にと
っても混乱の原因となります。犬や猫の繁殖シーズンになると不慮の事故に会
い、病院にかつぎこまれる動物にしばしば遭遇します。そして、そのまま治療
費の支払いもなく、迎えに来ることもなく病院に放置される事例も少なくあり
ません。これは動物病院にとっては由々しき問題なのです。

犬の状態に緊急性があると判断されたのであれば、その緊急性を感じている人
間こそが、治療費の負担をする覚悟が必要であり、まっさきに行動を起こすこ
とが望まれます。
むしろ、必要性を感じていない人間に対して説得しようとしてかける時間の方
こそが、無駄なように思います。
質問事項は3点ありましたが、最初に2点については回答は遠慮しておきます。

>森の猫さん
本当は、田口先生の意見に近い考えなのです。ちょこさんにも、「私達はまだ
獣医師の存在を必要としているのです」と主治医に伝える努力をして欲しいの
です。目を見て察してでは やはり難しい。言葉にして初めて伝わることもあ
りますので。
ただ、今の時点ではちょこさんも 書き込んだばかりで「いっぱい、いっぱい」
なのだと思いましたので、自分としてはこうありたいとういう考えを書かせて
いただきました。
あの件以前の長女は、私が病院へ出かけようとするとしがみついて止めようと
していました。「にわとりさん、泣いちゃうよ!」言って。にわとりさんとい
うのは、おばあちゃんがヤクルトの容器に毛糸であんだ編みぐるみを着せて作
ってくれた人形です。泣いているのは、にわとりさんではなく、長女本人だっ
たのです。長女にこれだけ寂しい思いをさせていることに罪悪感を感じたりし
ていました。
長女に言った「何もなかったら、両手で傷口を押さえてでも血を止めようとす
る」というのも、ずーっと考えていたものではありません。突然、口をついて
でた言葉です。神様か仏様が降りて来た瞬間なのかもしれませんね。
なんにしても、それで長女が納得したのであれば、この娘の父親でいる限り、
そういう父親であることを演じ続ける必要が生じてしまいました。いささか面
倒だな感じるときもありますが、長女が少し大人になってくれたことは私の喜
びでもあります。だから、長女に教えられたと書きました。


7月20日の まみまみさんへ
書き込まれた内容を拝見する限り、早急に病院へ行かれた方が良いと思います。
月曜日の大学病院を待っている必要はないでしょう。
原因がよく分かりませんが、原因がなくて結果だけがあるということも不自然
なことです。どのような検査が、今まで行なわれてきたかにもよりますが。
どちらにしても、体調がよくないようですので、支持療法だけでも施しておく
必要があるように感じました。

7月21日の ひーちゃんへ
どのような場合であろうと、「食べる」「保温」は救護の原則といえます。
しかしながら、今回の場合も「善意の誘拐」の可能性が高そうですね。
野生動物の救護は、常に「できるかぎり早く、自然に帰す」を忘れてはなりま
せん。自らに救護に知識や技術がないのであれば、各県におかれた「鳥獣セン
ター」にお願いした方がよいと思います。
鳥が衰弱してから、持ち込んでも救命率は下がってしまいますので。

7月21日の まーさんへ
爪切りだけでしたら、緊急性はありませんので、動物病院の手がすく時間帯に
出かけられた方が良いでしょう。
でも、卑屈になる必要もないことですので、時間の配慮ができるのならという
意味です。一度、病院の方に意向を尋ねてみればよいのでは?

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