獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200107-79

レス 2題
投稿日 2001年7月9日(月)15時26分 プロキオン

7月9日の Ouuさんへ
指の切断がどの位置からどのように実施されているかにもよりますが、現
在日常生活に支障がないようであれば、さほどの心配はいらないように思
います。
本人も成長の過程で、ハンディに応じた動きを学習してくれるように考え
ます。犬にハンディキャップがあるのなら、それを承知している方が飼い
主に名乗りをあげてくれることが一番です。


7月9日の かごさんへ
ハムスターの左足の付け根に腫瘍とありますが、これは腫瘍と確定してま
すか? 書き込みを拝見すると皮膚や皮下ではなく、足の筋肉の中にでき
ているように受け取れます。この場合は「膿瘍」という可能性はありませ
んか?
ハムスターは本来それ程腫瘍の発生が多い動物ではありません。頬袋の組
織が免疫性が低いため、腫瘍細胞の移植に用いられて来た経緯あり、体の
大きさに比べて形成される腫瘤の大きさが目に付くので、腫瘍が多いと思
われています。
家庭でも臨床の場でも 腫瘍と言われているものの中には「脂肪腫」であ
ったり、「嚢種」であったり、「膿瘍」であったりと腫瘍以外のものもい
っしょになっていたりします。まあ、そうは言っても高齢になると腫瘍の
発現もそれなりに目に付くようになりますが。

腫瘍であるか否かは、問題の組織の一部を切除して、組織診断を実施して
くれる検査機関に依頼しなくてはなりません。で、現実的にはこの切除が
適応されていないためにあいまいになってしまいがちです。
このような場合、私は注射針によるニードルバイオプシーを勧めています。
針で吸引して得られた細胞に「異形性」が認められるか否かを見るように
しています。「異形性」が認められるようであれば、腫瘍の可能性が出て
きますので、それぞれの個体に応じた処置が必要になります。
もし、腫瘍ということであれば、ハムスターは寿命が短いので積極的な治
療を選択しないというオプションから、足の切断や抗癌剤の投与等いろい
ろ考えられると思います。
ただし、治療と言うものは あくまでも個体に施されるものですから、具
体的なコメントはできかねます。

追記:組織診断の検査料金はみかんさんのところでも書きましたが、ハム
   スターに対して勧める獣医師はあまりいないと思います。
   細胞診については、私は他所に依頼にしないで自分で診るようにし
   ていますので、あまりお金はかかりません。外注する場合はやはり
   それなりに高額なので事前に尋ねておいた方が良いでしょう。

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