獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200109-204

レス:狂牛病
投稿日 2001年9月23日(日)21時40分 プロキオン

素朴な疑問といいながら、いつも、鋭いところをついてきますね!

(パールちゃん)
起立不能になる前に屠殺されて流通してしまうことも考えられるわけです。
流通する前の完全な検査が確立しないと消費者は安心することはできません。


まったくもって、仰せのとうりです。プリオニクス検査以外にも2〜3の検査
方法はあるわけですが、現状ではこれが妥当と選択されざるをえないわけです。
厚生労働省の方針は今の時点では、私は指示します。

(パールちゃん)
また、解体の際にプリオン病原体が食肉に付着することはないのでしょうか?
また、感染牛から作られた肉骨粉や血粉を飼料とした豚や鶏から人間への二次
感染はどうなのでしょうか?
今後、肉骨粉や血粉を飼料としないなどの取り決めができても、
末端の畜産家がどこまでそれを守るでしょうか?

プリオンが検出された牛の肉は、食肉として流通させるべきではないと私は考
えます。ただ、牛を解体する道具を1頭ごとに交換しているか否かでも 食肉
の汚染の危険は「0」というわけにはいかないでしょう。
豚や鶏の発病事例がない、あるいは確認されていなくてもプリオンに汚染され
ている可能性のあるものを飼料とする考えが私には理解できません。どうして
も与えたいのであれば、確実にプリオンが死滅するだけの温度処理を施すべき
です。また、この温度基準が守られていても今回の騒ぎが鎮静化するまでは、
給与を見合わせるデリカシーが欲しいと思います。
畜産農家については、私はとりきめができれば守ってくれると考えています。
農家なら、肉骨粉を使わせろというような、要求はしないはずです。
例え、要求したところでメーカーがそのような飼料をつくらなければ、給餌し
ようがありません。
先週の日曜日のNHKスペシャルを御覧になっていれば、何故、誰がイギリス
から、ヨーロッパ全土へ疾病を拡散してしまったかよくわかります。


(パールちゃん)
こういう素朴な疑問を公的機関が情報公開してくれないかぎり、
消費者の牛離れは止まらないと思います。

昨年の口蹄疫の発生の際には、かなり情報公開しているようでしたが、また元
にもどってしまったような感があります。
消費者の牛肉離れは当然の帰結とも言えます。牛肉に生産振興をしているはず
の農林水産省がこの結果を招いているのですから、皮肉な現象ですね。
本当に必要なことは何かという認識の差なのではないでしょうか?

(パールちゃん)
私の県ではここ2〜3日の緊急調査で、
感染を疑われる牛や感染源とされる肉骨粉の使用はないと発表されました。
ですがそれも、起立不能にはなっていないという調査員が牛舎をざっと見ただ
けの目視と、飼育者が「起立不能の牛はいない」「そういう飼料は使っていな
い」という自己申告による調査結果です。
消費を安定させるためのおざなりの検査のような気がしてなりません。

う〜ん、こちらについては私は現状では精一杯の検査だと受け止めています。
プリオニクス検査についても 延髄や脊髄を検査材料として必要とします。つ
まり、生前検査では発病してくれないと摘発のしようがないのです。
検査をしていますという言い訳の検査にしか見えないかもしれませんが、とり
あえずできることといえば、あそこまでなのです。
ただし、患畜と生産農家が同一の牛が出荷されている県においては、まだやる
べきことがあります。
患畜と同居していた牛の殺処分と脳の検査です。これが今もって手をつけられ
ていないことが不思議です。わざわざ、イギリスのまねをしたいように見えま
す。
そして、もっとも根本的なところで個体確認がおろそかにされている点が気に
かかります。生産農家は自分のところの牛ではないと言っていますし、肉骨粉
なんか与えたこともないと発言しています。なんで今頃こんな発言が出てくる
のでしょうか?
千葉の農家も肉骨粉は与えていないといっています。

私は今やるべきことは汚染の範囲を絞り込むことだと考えています。何故、そ
れが実施されないのか、推測はできますが、今やっておかないとかえって大掛
かりなことになってしまいます。
イギリスやヨーロッパに何も学ばなかった国と言われたり、肉用牛飼育農家を
廃業に追い込むまえに重い腰をあげるべきです。
これには、国の指事がなくても県レベルの判断で可能なことのように思えるの
ですが。

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