獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200201-188

Re:フィラリアの治療について教えて下さい
投稿日 2002年1月25日(金)00時46分 パールちゃん

パールから pearlさんへ。
我が家にもフィラリア犬がいますので参考になればと思い、書き込みます。

パナメクチンはフィラリア予防薬です。
獣医さんがおっしゃった「現在は心音もしっかりしているし薬を飲ませて様子を観ましょう」は、
危険な成虫駆除をするよりも、まずミクロフィラリア(子虫)を退治しましょう」ということでしょう。
今いるミクロフィラリアをやっつけることと、これ以上ミクロフィラリアを増やさないことが目的というわけですね。

心臓やその周辺に成虫がいるのかいないのか、
いるとしたらどれくらいいるのかはMRIなどの検査でおおよそはわかるでしょうが、
それがわかってもあまり意味のあることではありません。
いちばん大切な血流をふさぐような位置に寄生していたらたった1匹の成虫でもやっかいですし、
うじゃうじゃと団子状にたくさんいてもそれがあまり血流を妨げなければそれほどやっかいではないからです。
つまり数の問題ではなく、寄生場所のほうが問題です。
それを知るための検査は犬にとって苦痛と不安、体への負担をもたらしますから、
そうまでして検査をするよりも今の犬の状態に合わせて、今しておくことを優先しようというのが先生の見解なのでしょう。
うちのかかりつけの獣医さんもpearlさんの先生と同じ考え方をしています。

成虫がいるとして それを薬で一度に殺すのはかなりリスクの高いことです。
死んだ虫が一気に血管に詰まる恐れがあります。
そうなると、昨日までは元気だったのに急に倒れて、、、ということも考えられます。
成虫に対する方法は3つ。
1.薬で殺す
2.手術で取り出す
3.虫の寿命を待つ
薬で殺すのは前述のようにリスクが高く、犬にとって危険です。
手術は、ノドのところを切開し、血管から管を入れて手探りで虫をつまみ出します。
寄生場所と虫の数、血管の丈夫さなど、さまざまな要因によってリスクの高低が違います。
以前いたうちのフィラリアの子は激しい咳が出るようになったため、
犬の苦痛を取り除くために手術に踏み切りました。
幸いに若くて基礎体力もあり、つまみ出しやすいところに成虫がいたので手術は成功しました。
たった2匹の成虫でした。それが肺へ行く血管にいたため激しい咳の原因になっていたのです。
うちの獣医さんは犬が苦しんでいたら迷わず手術、そうでなければリスクのある手術はしないと言っていました。
ですから今いるフィラリアの子はまずミクロフィラリアを退治し、予防し、
成虫については虫の寿命待ちという方針を取っています。
フィラリアは寿命5〜6年といわれています。
虫が寿命尽きて死に、死骸が血管に詰まることなく自然に溶けて血液に吸収されてしまうことを願っているのです。

先生がおっしゃるように今はあまり心配しなくていいのではないでしょうか。
心臓に負担がいかないように、太らせないこと、激しすぎる運動は避けること、
気温の急激な変化に気をつけることなどに注意して、
体力の維持と体調の管理をしてあげればいいと思います。
歯茎の色やまぶたの色での貧血チェックを日課にするといいですよ。
貧血はフィラリア度を見る目安のひとつですから。
あ、ドーベルマンは歯茎、黒いのかしら?
貧血チェックの方法を獣医さんに聞いてみてくださいね。

ここの掲示板やイヌBBSにはフィラリア仲間がたくさんいますので(あまり喜べないけど)、
またなんでも気軽に相談してください。

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