獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200201-193

reアレルギー
投稿日 2002年1月24日(木)23時51分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。
 純医学的な判断と、個人の価値観を含めたより上位の判断とを分けてお考えになるのがよろしいかと思います。医師は専門家ですが、本人ではなく、本人になりかわって判断することはできないのですから。

 私自身アレルギー持ちで、テスト受けたところ、幸い食べ物はあまり反応ないものの、接触系は軒並み強い反応が出ました。反応しないものがないので途中でやめたほど。
 が、馬に乗り、イヌもネコも鳥も飼っております。革細工もします。埃を吸いつつ掃除もします。ネコ洗うと手が腫れますし、肉を料理しても(アトピー皮膚炎の傷がたいていいつも手にあるので)手が腫れます。
 純医学的には遠ざけるべきですが、私自身の選択として、医学上のリスクを承知の上でそうした生活を「選択」しております。でも、寝ていて喘息の発作が起きるので、羽毛布団はやめました。私が羽毛布団使用に重きをおいていないので、医学的な判断を退ける必要がないからです。

 そのお子さんにとってウサギが重要ならば、共存の道を探る意味はありましょう。こまめな掃除、寝室以外で飼う、ウサギでの反応を強めるが本人にとってウサギほど重要でない他の要因の排除などの飼育法の洗練がひとつ。もう一つは、喘息を予防的にコントロールすること。ステロイドを吸入して使ういい方法があります。ステロイドといってむやみに怖がる必要はありません。緊急時には頓服の吸入もあります。いい医師を探されることです。腕もですが、アレルギー持ちへの理解(簡単に「ウサギを処分しろ」といわずに、患者の生活の質を重視してくれる)がより大切かと。あくまで個人的経験の範囲ですし、アレルギー持ちでないアレルギー専門医がみんないかんとはいいませんが、自身アレルギー持ちである医師はアレルギー持ちへの理解がある確率が高いように感じています。

 もうひとつは、親権者の決断でウサギを処分することです。悲しむのも成長の一過程ということもできます。その結果恨まれるのも親権者のうちということで。

 個人的には前者をお勧めします。アレルゲンがウサギだけという可能性は低く、潜在的なもの現段階では検出できないもの含めてアレルゲン全部を排除した暮らしは出来ず、11歳となれば簡単に治療して「治る」率も低そうなので、反応が出るのを前提にしてコントロールする・・・ほうがリーズナブルだと考えるからです。「ウサギだけ」だとして排除した暮らしを選ぶとしても、出先で接触してしまうことはあり得るので、どのみち、どうせアレルギーとの付き合い方を覚える必要はあるだろう、だったら最初から覚悟を決めて、と。まずこのセンで精一杯のご検討を。
 が、喘息の発作が、可能な限りの事前コントロールを行ってもなお死に至る危険性が高いのであれば、後者が選択されるべきと考えます。何度か死に掛けたことがありますが、ホントに苦しいものですから。引き受け手が見つかればよし、殺処分するのなら、ウソは言わず、真実を伝えるべきと考えます。お子さんの自身の腕の中での処分も、強制しないまでも選択肢としては示すのがよいかと。11歳ならば受け止めることができてしかるべき年齢であり、誤魔化しきれる年齢、ウソに強く傷つく年齢でしょうから。

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