獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200204-192

有力アドバイス−最終章
投稿日 2002年4月26日(金)03時19分 機械オンチな鈴木

パールさん、おくちゃまさん、本当にありがとうございます。せっかく有力アドバ
イスを頂いたのに・・・・もう何もかもが、本当に何もかもが遅すぎたようです。
仔猫は昨日死にました。・・・・・・24日の早朝のことだったと思います。
おととい(23日)の夕方、私はいただいたアドバイスを参考にして仔猫を近所の動物
病院へ連れて行きました。体重はわずか・・・・70グラム。22日に買った猫用ミルク
の缶には、「生後1〜4の体重は約130グラム」と書かれていました・・・・。
私は先生にミルクの飲ませ方や、排泄物の処理の仕方、寝床の作り方を訊いて・・・・
そして学校があるから昼間はどうすべきか言うと、本部に問い合わせて1日預かるの
にかかる値段を教えてくれました。そして、その時丁度仔猫がほしいと言う人がいる
ことを聞きました。
赤ちゃん猫の預かり賃は1日2000円で、私は親と相談するといって断り、里親の件は
、元気になったら渡すと応えました。今思えば、私のしたことや考えは、なんと浅は
かで愚かであったかと・・・・後悔の念に胸を灼かれます。私は・・・・もはやあの仔猫が
死ぬなんて思いもしなかった!
先生が用意してくれた、点滴パックを利用した湯たんぽをタオルでくるんで小さ目の
箱に入れたものに仔猫を入れて家に帰りました。「もうこの仔は野良じゃない。里親
が見つかった明日のある命だから大切にさせて。」父はもう、茶の間に仔猫を置いて
おいても文句を言わなかった。母は里親が見つかったと聞いてめちゃくちゃ喜んだ。
私はあの仔が成長することを疑いもしなかった・・・・・・。
その夜のことでした。
仔猫は、温かくしてやったのに相変わらずミルクを飲むのを嫌がり、病院から帰って
きてからしばらくは静かにしていたのに、背中を反らすようにして動き回って、良く
鳴くようになりました。
私はすっかり、暖められて元気になったから、お腹を空かせて鳴いているのだと思い、
ミルクを一滴づつでもいいからやるようにとの先生の言葉に従って実行しました。
しかし飲みたがらない。じゃあ排泄したいのかと思ってお尻を刺激してみる。だが、
痛いらしく、ティッシュが肛門に触れると嫌がります。そして、出すには出すのですが
、騒ぐのをやめない。そしてなぜか、お尻をふくとティッシュには血がついてました。
夜がふけるにつれ、私は自分が誤解していたことに気付きました。
「この仔は苦しんでいる」仔猫は、ただ鳴いていたわけでは無く、苦しがっているよう
に思えてきたのです。そして異常に気付きました。“肛門の色がどす黒い赤に変わって、
口がさっきから開きっぱなしになっている"途中まで、私はあの仔猫がミルクを飲む気
になりだしたのだと思っていたのです。
変だと気付いたのは、鳴き声や抵抗のような動作が弱々しくなって行ったからです。
しかし私にできることはもうありませんでした。「明日は学校に連れて行ってでも
看病しなきゃな」と思いながら私は寝ました。そして次の日の朝、起きてすぐ仔猫の
様子を見た私は・・・・・・・・信じられなかった。ホッカイロの保温で身体はまだ温かかっ
たけど、平らなトコにおいてじっと見つめても、その胸はもう動いてはいませんでした。
手にとってみると、なんか軽く感じられました。
その日一日、私は仔猫を一番最初に発見した裏口に寝床ごと置きました。
実はまだ生きているんじゃないかと・・・・見てしまうとついそんな風に思ってしまって。
それに母猫に最後の別れをさせてやらないとと思って・・・・。結局来たかは分かりませが。
そして今日の朝、学校に行く前に家の裏の夏みかんの木の下に仔猫の遺体を埋めました。
母から、内臓から腐り始めているらしく銀バエがたかりだしたと聞いたからです。
私が見た時はハエはたかってなどいませんでしたが、仔猫の鼻から血みたいなのが出て
何か昨日までとは違った臭いをなんとなく感じました。
今日はあの仔猫とであった日と同じように雨で・・・・・・私は傘を忘れて濡れながら帰りました。
そして家に着いてすぐ病院へ電話をしました。本当は昨日すれば良かったんですけど、
忙しくてできなかったのです。電話に出た人に、私はおととい訪ねた者である事と仔猫の死を
伝えて、里親の件について謝りました。すると、電話に出た人は、「かなり衰弱していました
からね・・・・」といいました。その人は、おととい診察をした先生だったのです。
電話の応答に出た人が、おとといの事情など何も知らない他の人だったなら、こらえきれ
たのに・・・・その人が、診察をしてくれた先生だと知った瞬間に、押さえがたい嗚咽が湧きあがって、
私はまともに話ができませんでした。なぜ、肛門から血がでていたのか訊こうと思っていたのに・・・・。

雨に濡れながら自転車をこいでいる間、私は思いました。保温するのもミルクを買って
きて飲ませるのも、病院へ行くのも・・・・なにもかもすべてが1日遅れだったのだと。
私は、命のもろさを全く知りもしませんでした。
結果的に仔猫は死にました・・・・里親が見つかった矢先に。
でも、確かにあの仔猫の身体は死んでしまったけど、その存在は私の記憶に鮮明に
残って、これから先、決して同じ事が起こらないように私を見守り、そして常に
私の無力さを示して精進するよう働きかけてくれると信じます。
これが、私にできる最高級の弔いだと思うから・・・・。
最後まで長々と付き合って下さって、本当にありがとうございました。
そしてできたら、私のふがいないせいで死んでしまった仔猫に黙祷を捧げて下さい。

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