獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200210-149

ご意見ください・ぱぴさん>
投稿日 2002年10月19日(土)01時18分 寝子

私は猫のブリーディングを12年ほどやっています。犬もちょこっとだけやったことがあります(どちらもビジネスではありません。単にその猫種に惚れ込んで…です。)
帝王切開は犬・猫を含めて過去3回経験しています。

お産についての相談を受けると、まず答えるのが…
「お産は病気とは違います。ある特定の病気であれば、同じような過程をたどって症状が進行して、どのタイミングで検査を行って、どんなお薬を使って…って、あるかもしれませんが、お産にはそれが当てはまりません。毎回、例え同じお母さんが出産したとしても、過程が全く違うのです。」と。

初めてのお産で陣痛が来て2時間で7匹生むこともあれば、次の年の出産は帝王切開かも知れません。
毎回毎回が初心者の気持ちで、ハラハラしながらどんな状況になっても対応できるように主治医と連係プレイを取っておく必要があります。

今回のぱぴさんのわんちゃんのお産が帝王切開に至ったのには、それまでに様々な過程があったはずです。問題なければ普通分娩で生まれていたはずでしょう。

例えば、出産予定日1週間前にレントゲンで胎児の様子を確認されましたか?その時の胎児と母犬の状態はいかがでした?その時点で通常分娩に耐えられると先生は判断されましたか?
最初の陣痛が始まってその後の様子は?陣痛の様子がおかしいと気づかれてどれくらいで先生に相談されました?
先生の所に連れ込んで、どのタイミングで帝王切開を決めました?(帝王切開を行う、と決めるタイミングは非常に難しいと思います。わずか数分遅れても小さな命は待っていてくれません。)
もしそれらの決断が下されるまでによけいな時間がかかったとしたら…
母胎や子犬にかかった負担は想像を絶するものがあるでしょう。

ぱぴさんが今になって落ち着いてあれこれ考えられるお気持ちはよく理解できます。でも今回は母犬と1匹の子犬は助かりました。非常に幸運だったと思います。ひとつタイミングを間違えば全員亡くなっていてもおかしくないのですからね。

犬は安産の守り神、などといわれているのでほっておけば簡単に産み落とすと思われる方も多いかも知れませんが、チーママさんが書かれているように、お産は命がけの大事業です。
真剣にブリーディングを行おうと計画するのであれば、ブリーダーとしても事前にしなければいけない勉強が多々あると思います。


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