１０月７日の　やまさんへ
獣医師の中にも歯科を得意とする先生はおられて、そちらの分野では活躍され
ています。
しかし、人間の歯科医がそのまま動物の歯の診療ができるかというと、それは
法律上の制約があります。歯科医と獣医師は並列のものであって、どちらかが
より上にあるというものではないからです。
そもそも、歯の形態も異なりますし、「ハイ、あ〜ん」で口を開いて歯を削っ
たり、歯石をとらせてくれる動物はいません。局所麻酔ではなく全身麻酔に習
熟する必要もありますし、虫歯の発生率も犬と猫ではまったく異なります。
歯科学以外に、獣医学の知識も必要なります。

したがって、獣医師で歯科に興味をもたれたパイオニアの先生達は、海外へ出
かけて歯科医の勉強をしたり、研究生として国内の歯科大で学ばれたりしてき
ました。
これも１つのルールを守りつつ、自らの興味を追求するという選択の結果です。
ダブルライセンスを取得するか、自らの分野の中へ相手方の分野を導入するか
という形になります。

もし、そこまではできないということであれば、獣医師との交流の中で現場に
おける研究交流の道を捜されても良いのではないでしょうか？
私の知っている動物病院へは、白内障の研究で人間のお医者様が通ってきてい
ました。相互の情報や研究の交流が目的でした。こういう形であれば、それ程
むずかしいことではないように考えます。