獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200302-241

マルチレス
投稿日 2003年2月22日(土)13時22分 プロキオン

2月22日の アズーリさんへ
FIVの検査においては、抗体の検出ですので、一旦陽性となった個体が陰性
になるということは、ちょっと考えられません。
理論的には、疾病の末期にそれこそ免疫低下がおきて、最低限の抗体(検出限
界以下のレベル)しかつくることができなくなった場合に「陰転」することが
あるとされています。
書き込みには記載されていませんでしたが、現在当事者の猫君が、そこまで体
調が悪いとも受け取ることはできませんでした。
とすれば、3回の検査(一番最後の検査は2回ではなく1回と数えた方が適切
だと考えますので)の中で、適切に実施されなかった検査があるのではないか
と考えたくなります。
1年半前(陽性)、半年前(陽性)、今回(陰性)で、病院はすべて異なると
いうことなのですよね。
私は、こういう経験はしたことはないです。



2月22日の tigerさんへ
やはり市販の蚤駆除剤でしたか。日本においても蚤の卵が孵化しなくなるとい
う薬剤が市販されましたが、結局は発売中止となりました。
蚤の成虫は3〜4週間は生存して吸血をくり返しますので、成虫の寿命がつき
るまで吸血を我慢しろというのでは、いささか不親切というものでしょう。
別に成虫対策が必要となるのであれば、これは販売中止にいたったのも納得で
きます。
さて、御質問についてですが、これはお答えいたしかねます。使用した製品の
おおよそについては推測できますが、製品が確認できない、市販製品の情報が
分からないという中では、むしろコメントを控えることこそが適切であると考
えます。
さほど、むずかしい内容ではないので、その市販製品を持参のうえ、現地の動
物病院で御相談されると良いと思います。


「安楽死の条件」
こちらは横レスになってしまいますが、天邪気さんとKAN&哲さんが言われ
ている「飼い主がみていられない」という条件では、私は納得できません。

「安楽死」してくれと病院のドアを叩く人というのは、みなさん一様にこの言
葉くらいは口にされます。
でも、そんな方の多くが初対面なのです。治療や診察を望んでいないんです。
「他の病院へかかっていたから」とか言ってくれる方はまだ気を使っている方
なんです。「飼い主が安楽死してくれと言っているのだから、黙ってやればい
いんだ」という人は少なからず存在します。断れば、待ち合い室で「俺は客だ
ぞ!」とどなりちらす飼い主も実在しているわけで、お二人のあげている条件
で認めてしまったら、私は数限り無く犬や猫を殺してこなければなりませんで
した。

では、どのような場合であれば、認められるのかといえば、これは簡単には披
露できません。一旦公開してしまえば、うちの犬はその条件に合致していると
言い出すが人が出てくるからです。
私の場合では、おおよそ4つの条件がありますが、その中の1つだけを述べれ
ば、
「今の状態をこれ以上飼い主さんに継続させるのは酷であると第三者が判断で
きる場合」というのがあります。
簡単に言えば、これ以上は飼い主さんが気の毒で見ていられない場合というこ
とであり、主治医である私がそう思っただけではまだ足りないということです。
第三者の判断というのは、私の獣医師仲間である場合もあり、その飼い主さん
のことを知っている犬仲間であったりします。

世の中には、安易に「安楽死しれくれ」と口にする飼い主さんが多いのですが、
それでも「もう、充分ですよ」と声をかけてあげたくなる飼い主さんも存在し
ます。こういう飼い主さんであれば、容易なことでは泣き言は口にしませんか
ら、金銭的な意味でなく、精神的肉体的に動物と共倒れになりかねないのです。
本人には不本意であろうとドクターストップが必要なのだと考えます。
ドクターストップというであれば、できうる限り大勢に人に賛同してもらえる
ものでないとなりませんし、時期も適切でないといけません。

「飼い主が、動物がかわいそうでみていられないと言ったから」という条件で
は、ハードルがあまりに低すぎます。
確かに、飼い主さんにそう言われてしまった動物はかわいそうですよ。動物を
助けたくて獣医師を志した以上は、それだけでは「No」とお断りします。
安楽死料金100万円というのも、私はブラックジョークだとは思いません。
真剣で良いと思います。獣医師の志しを曲げる行為を求められているのですか
ら、不当な金額とは考えません。
飼い主さんが飼育している動物を自らの人生の中でどのように位置付けている
を推し量るには、ちょうど良い金額かもしれませんね。

「動物がかわいそうでみていれれない」という飼い主さんの多くは、この金額
には怒るでしょうね。
獣医師免許を「殺犬(猫)許可証」であると勘違いしている人は実に多いので
す。私には、その現実が悲しい。
殺すだけなら、獣医師でなくてもできます。そんなことのために獣医師に声を
かけないで下さい。

私は低すぎるハードルを認めることはできません。

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