獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200303-199

マルチレス 2題
投稿日 2003年3月26日(水)11時40分 プロキオン

3月25日の まさみさんへ
組織検査を実施してあるのであれば、「甲状腺癌」は確定診断と考えて良いよ
うですね。
となると、手術の適応の是非ですね。

本来、余命とは救命のための手段がつきたときの考えであって、救命手段があ
るのであれば、「余命何日」という言葉は出てきません。したがって、これは
手術をしなければ、あとこれくらいという意味なのでしょうね。
手術は、そもそも100%の保証とういうものはありえず、必ず数%の危険は
伴います。したがって、患者の状態をベストに近い状態に持って行って、執刀
者も一番体力気力とも充実した状態で望むべきものといえます。
この両者の関係については、今現在一番知っているのは主治医ということにな
ります。主治医の先生が手術は難しいと考えているのであれば、やはり難しい
のでしょう。
その理由が執刀医の技術的な問題であれば、大学病院や外科手術に長けた先生
を紹介してもらえば良いでしょう。患者自身の問題であれば、これは手術とい
う選択肢がないことになります。
手術に耐えられるか否かの評価ということで、他の先生の意見を求めるのは、
悪いことではありませんが、おそらく検査は二重に実施されるのではないかと
考えます。どの獣医師にとっても他人の海図で荒れている海に船を乗り出せる
ものではありません。自分の海図が必要だからです。

手術の適応の最終判断というのは、飼い主が決めなくてはなりませんね。何が
起きようとも第三者には責任を負わせることはできません。主治医の先生とも
家族とも、納得がいくまで話し合って下さい。


2月24日の とらたさんへ
お書きになっている投稿内容から判断するに、今のフェレットの医療現状をよ
く表していると思います。
今回診察された先生の言わんとすることは、まさにそのとおりといえます。
投稿にあった薬品は、私が名称を伏せた薬品ですし、その利用知見というのも
国内ではまだまだ積み重ねが必要であり、海外の文献に頼らざるえないところ
です。
海外では良いという報告になりますが、実際に使用してみてどうだったという
には、まだ時間が必要なのです。今、製品名を挙げて適応の是非と問われても
回答できることではありません。
ただ、今回の先生の説明はていねいであり、勉強もされているという印象を持
ちましたので、相談相手としては信頼されても良いのではないでしょうか。


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