此れは僕と暮してくれた猫の最後のドキュメント、
長文済みません。

最後の最後・・その瞬間を迎えた時・・ポンポが血を吐いた・・

血だ！と、思って慌ててティッシュを口に入れて吸い取って上げようとした、

けれど・・・良く見たら血の色じゃなかった・・茶色の色をしていて

何か？肝臓やどこかの内臓が破裂したんじゃないかな？って・・・

そんな心配をしていたら、ポンポが急に足を痙攣し始めて・・・

最後にもう一回小さな口からクポッ・・って同じ色の液体を吐いた・・

それを合図に痙攣が・・それもとても大きな痙攣がポンポの体から出始めて・・

それが・・終わるとポンポが静かに成った、・僕は無我夢中でポンポを揺すった、

若しかしたら未だ息が有るんじゃないだろうか？・・耳をポンポの胴体にくっ付けて見る、良く判らない・・未だ暖かい・・鼻水が止まらない、涙が止まらない、拭くのも忘れている・・それど頃じゃなかったから・・・

未だ暖かいから死んじゃいない！絶対に未だ生きている！そう思い込んで

良くドラマである様に、体を揺すってみる・・・・・もう分っているのに・・

それまで目に白い膜が掛かって、薄白く成っていた目が・・・・

綺麗に成り始めた・・・生きているみたいに綺麗に成った・・ほんとに生きているみたいに・・・ずっと床に寝ているポンポを丸く抱いていた、

彼女が辛くない様に力を入れないで丸く・・腰をかがめて自分の頭を下げて

ポンポに顔を近づけて、腕を丸くしてポンポを包み込む様に・・・・

もう・・・動かなくなったポンポ・・体を起こしてみる・・丁度寝返りを打たせる様にして見る、首の位置が変った瞬間に又少し口から茶色の液体が出る・・

ほんの少しだけ・・・これで口の中は綺麗に成ったに違いない・・・・

泣きながら拭いて上げる・・グニャグニャのポンポの首・・・

目が開いてとても綺麗・・・横にしてあげる・・目が僕を見ている・・・・

生きているみたいに・・僕を見つめている・・綺麗な目！・・少し口が開いてきた・・・半眼半句・・って言うよりも全開の眼差しが僕に差し掛かる・・・

もう1度・・息をして欲しい・・・お願いだから・・・・・・

祈ってみるが・・そんな事は起こらなかった・・・その1時間ぐらい前に

辛そうに見えたポンポを抱きながら“もう良いよ？これ以上頑張らなくとも

僕は責めないから・・お願いだから！らくになって・・・ねっ？ポンポ！“

って言った事を後悔する・・・心の底から後悔する・・・・

命のドアーを閉めてしまった後で・・後悔の念が僕の胸を締め付ける・・・

自分も血を吐きそうな位に・・辛い・・いっその事・・吐いて楽に慣れれば良いのに・・って考えて直ぐに否定する・・・・生きなくちゃ！

又ポンポの命に逢う為に生きなくちゃ！・・・って・・自分に言い聞かせる・・・

ずっと同じ体勢のまま・・腕の中のポンポ・・暖かさはそのままに、

けれど少しだけ首が硬くなって来たみたいだ・・・涙と鼻水でぐちゃぐちゃのまま少しだけ離れる事が出来た、ポンポの横に座ってみる・・・

やっぱりこっちを見ている、首がこっちを向いているだけだと、分っているけれど・・ぜったいにポンポは今・・僕を見ている・・そんな気がした・・

そうであって欲しいと真剣に願う・・“僕だってポンポを見ているよ"・・・

ほんとに目が綺麗だった・・・・僕とポンポだけで迎えた・・命の終わりの時・・

きっと・・ポンポはこの瞬間を待っていたに違いない！・・・

仕事が多忙で余り長い時間構ってやれなかったけれど、今日は違う・・・

ずっとポンポと僕だけの時間が長い・・・ポンポと遊ぶ事は出来ないけれど・・

きっと・・この時が来る事を分っていて、ポンポは我慢して来たに違いない・・・

僕だけに看取られたかったに違いない・・そう思う・・心底そう思う・・・・

だから・・・今考えるとポンポは嬉しかったと思う・・そう信じたい・・

仕事がとても忙しくなって来ている・・でも・・帰るとポンポの事が頭から離れない・・とても辛い・・・一人で風呂の中で泣きじゃくる・・・・

風呂の中に顔を突っ込んで・・こみ上げる涙をごまかす・・自分にごまかす・・

泣きたいから泣くんじゃない・・悲しさより・・辛さより・・・

ポンポに逢えない空ろさが寂しい・・心底寂しい・最後に見た眼差しが恋しい・

良い顔をして天国に行ったポンポ・・いつか！絶対にいつか！僕は又

ポンポの命に逢えると信じている・・・・又いつか会おうね！って約束したから・・夜遅くそんな事ばかり考えています・・・・・・