獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200309-186

re:small さん
投稿日 2003年9月18日(木)14時29分 はたの

ぼやきのおつもりでなかったとの由、失礼いたしました。

 制度に関しては獣医師のほうが詳しいと思いますが、私の知る限り、獣医師関連の資格はひとつだけです。つまり、獣医師を名乗るためには獣医師免許さえあればよく、腕は問われないのです。
 ですから、

>診察内容に鳥と書いてあっても、診察ができない
 のはなぜか、といえば、それはその獣医師の営業方針だから、ということになります。まあ、広告の制限キツイので、診察内容(対象かな)を謳っていいのか、「犬猫小鳥」の類の表現は広告なのかどうか、といあたりも本職のコメントを待ちたいところですが。

>電話で動物病院へ確認すると『鳥は得意ではないけれど・・』という回答もよく聞>きます。
>獣医さんの中でも鳥類を診察するには特別な資格が必要なのか?という疑問です。

 前記のとおり、資格は存在しないはずです。
 得意でない・・・というのは、獣医師の仕事、教育方法にあります。
 獣医師は実はあくまでもヒトのための存在です。従って、実際に病気の動物を診る人よりも、公衆衛生に関わる人のほうが多いのです。
 その少数の臨床獣医師の中でも、小動物を診る開業獣医師よりも、組織に属して大動物を主とする家畜を診るひとのほうが多いのです。
 また、家畜は経済動物ですから、治療に必要なお金と効果との関係がシビアです。割が合わなければ治療よりも殺処分が選択されることもあるわけです。
 経済動物としての鳥は、まあアヒルやダチョウもありますけれど、量としては圧倒的に鶏です。そして鶏は単価が安く、経済的寿命も短いので、基本的に「ある一羽」は対象になりません。群れ単位で管理されます。治療よりも殺処分が選択されることも、経済動物の中でも特に多くなります。
 そういう事情ですから、鳥の特定の一羽を診療する方法は、基本的には獣医師の教育プログラムにないわけです。
 なので、獣医師の資格を持っているというだけでは、鳥を診察できなくて当然なのです。
 開業獣医師として鳥を診察している、中でも診察できる、獣医師は、卒業してから、特に鳥について頑張って自分で勉強し続けているかたがたといえましょう。
 が、足切り制度があるわけでないので、勉強の程度によっては、大したことができない場合も出て来ます。他方、鳥の病院を名乗っていなくても実は上手、という場合もありますが。
 
 得意でないという獣医師は、ある意味では良心的ではありますね。

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