獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200401-105

>アヤさん
投稿日 2004年1月15日(木)12時27分 プロキオン

>>肺における液体含有量は、咳が出ない分進みます。
>・・・驚きました・・・。

ある高山への登頂を材題として映画で、「高山病の末期は何千メートルもの山
の上で(肺水腫によって)溺れ死ぬんだ」という台詞が使用されたことが印象
に残っています。

循環機能の低下に由来する発咳は、肺の中に溜まってしまう水分を呼気を使っ
て排出しようとする機序ですから、咳をしなければ、その分、水分の排出は遅
れます。
したがって、咳はそれだけの必然性があって出ているものと言えます。ただ、
咳は続くとやはり苦しいのです。横隔膜や胸筋にかかる負担も大きいですし、
消耗も進みます。一時的に咳を止めてあげて、消耗を防ぐのは治療の一環とし
ては「有り」ではないかと私は考えます。
大事なポイントは、本筋である循環器薬や強心利尿剤による治療をおろそかに
しないことです。

御質問にあった「安楽死」の話を切り出す時期ですが、私は本人の「これ以上
苦しむのは嫌、死にたい」という意志が確認できないからには、「安楽死」で
はないと考えています。
本人以外の第三者による「死」の決定には、単に苦しむのを見たくないという
理由では、私には応じることはできません。それ以上の覚悟と責を求めます。
したがいまして、私には「安楽死」を切り出すタイミングというものは、あり
ません。

「安楽死」が容認されている欧米においては、医薬品における疾病のコントロ
ールができなくなった時というのが、一般的な概念と聞いておりますが、この
基準ですと、個々の獣医師の胸先三寸で決める事ができてしまうようです。
もっと、普遍的な基準が欲しいところですが、「安楽死するための」基準であ
れば、むしろ無い方が良いのかもしれません。
一人ひとりの獣医師の良心を信じたいというところです。


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