獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200401-51

reひつこさん
投稿日 2004年1月8日(木)03時16分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。

 そろそろ発情、ということはありませんか?
 噛む、ことに「特定のひとり以外を強く」というと、発情が疑われます。
 すんなりとヒトに発情した場合にはあまりそうはなりませんが、本人が発情を持て余している場合にはオスと思っている相手(ひつこさんですね)にもイライラをぶつけることがあります。青春の衝動にもやもやしているのにどうしていいか判らない、みたいな感じで。
 そして、ヒトを噛むと何か反応があるとそれが嬉しくて、噛むことそのものが好きになったりして、癖が固定していく・・・ということもあるわけです。
 
 いろんな対処がありますが、一長一短ですし、さまざまな組み合わせが考えられます。

・嘴先端を切る。噛まれても痛くないように先端をカットします。すると噛まれても無視することができ、二次的に噛むのがクセになるのは止められます。ただし保定とカットというリスクがあります。
・手袋で接する。噛まれても痛くなければ無視できるのは嘴カットと同じ。ただしこちらはヒトがめんどくさいですね。
・指に苦いもの(イヌの躾用のリンゴから作った液体)を塗ります。ただしアルコールで溶いてあるので鳥に近づけるのは乾いてから。噛むと苦ければ噛まないだろう、というわけです。ただしますますイラつくこともあります。また、何かの拍子に手を口にやると、ヒトも苦い思いをします。
・ちゃんと発情させてしまう。餌の吐き戻し、背中に乗る、といった雄の行動を真似て、ひつこさんとの間にしっかりと安定したペア関係を作ります。ただしこれは原因が発情の場合のみ有効、かつ、過発情等による健康への害というリスクもあります。
・噛んだらカゴに戻す。

 より本気でやるのなら、しっかりとした訓練を入れる方法もあります。
 特定の合図を決め(最近はクリッカーが多く使われますが、わかりやすければなんでも結構)、「合図+少量の好物」という条件づけをします。

 そして次第に、合図と好物を与えるのとに時間差をつけていきます。最初は1秒以内だったのを何十秒かに。
 同時に、何か簡単な芸を教えます。「ヒトの指に噛み付く」行動と両立しないこと、何かを咥えるとか、何かから嘴でブラさがるとかにしましょう。
 そういう行動を偶然とったときに、素速く(1秒以内)に合図をし、数十秒以内に餌、です。
 別の合図も作ります。もとのを合図a、こちらを合図bとしましょう。
 その行動をとったら、できれば同時に、合図b、追って合図a、好物、とします。
 今度はその行動をとりそうな時に、事前に、合図b、うまくそう行動したら合図a、好物。むろん、なにかオモチャを差し出すなど、行動をうまく誘導できればそれでもOKです。

 合図bに反応するようになったら、合図aだけで好物はナシ、という場合も作ります。最初は10回に1回、次第に割合を増やして。ただしランダムにします。
 
 この操作で、合図b→行動というトレーニングが出来上がります。
 
 そうしたら、指を噛みそうになったら、「その前に」合図bを出します。
 それでも噛んだら無視、合図bを出しそこなって噛まれても無視、うまく狙いの行動をしたら合図a、時にはさらに好物。
 噛むことと両立できない「行動」を選ぶのはこのためです。
 一旦は、それまでよりも噛む行動が多くなるように見えるでしょう。が、そこはガマン。

 原因が肉体の傷み等でない「癖、習慣」であれば、ここまで手間をかけらればかなりの確率で噛むことは減らせられるはずです。

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