獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200404-43

re泣くんです
投稿日 2004年4月6日(火)02時20分 投稿者 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。

 処分を迫られており、かつ、トレーナーさんが「気長に待つ」といっているようですと、いろいろと手を打つ必要があるでしょう。
 ひとつは近隣対策。苦情を言っているかたに(大家さんを通じてでも)本格的に対策するから猶予が欲しいとお願いして、いつまでに改善させればいいのか、期限を確認する。
 ひとつはダメだった時の行き先。イヌを殺処分するのか、誰かに貰ってもらえそうか。あるいは、イヌとともに引っ越すか。

 これらの覚悟を決めておけば、ご自身の要らん不安がイヌに悪影響を及ぼすこともありますまい。

 で、対策ですが、状況からして、お金をかけてでも専門家にご相談なさるのがよいかと。トレーナーというより獣医師(すくなくとも獣医師と密接な協力関係にあるトレーナー)がよいかと。「獣医 行動」で検索するとその方面の研究会があり、行動療法に積極的な動物病院の一覧もあります。比較的近いところへご相談を。

 最終的には実見した専門家の見立てにしたがうべきですが、おそらくは、不安を抑える薬物を期間を決めて投与して、その間に行動訓練をする、ということになりましょう。薬ナシではおそらくハードルが高すぎて訓練が奏効しなにい可能性が強いので。
 100パーセント確実ではありませんが、かなり劇的にきく希望もありますから、暗くなられませんよう。パールちゃんも指摘しておられるようにイヌにうつると悪循環が始まります。

 訓練としては、むやみに叱ってもダメです。これまた悪循環コースですから。
 まず甘やかすところからスタート。抱いて寝るのを推奨。そこで自信をつけてもらいます。甘やかされなかったから分離不安になるのではなくて、甘やかされるべき時期にちゃんと甘やかされなかったから年相応の自信が持てなくて陥るんです。
 いちど赤ちゃん帰りさせてべたべたに甘やかしてみましょう。
 その後で、少しずつ、ほんとに少しずつ、ヒトと離れていることを教えてゆきます。その過程でも叱るのは一切ナシ。昨日より後退しても叱らない。その時できたことを誉める、これに尽きます。
 言い換えると、誉めることができるように、一度に乗り越えなくてはいけないハードルは低く低くします。3〜4mならば離れられるのならそれを誉めます。4.1mになったらもっと誉めます。5秒しか離れていられなかったのが6秒になったら誉めます。
 薬も、同じ意味で使われます。ハードルを低くするために。

 大まかには、「体系的減感作(体系的除感作、体系的脱感作ともいう)」という手続きです。無理無理でなく計画的に(=体系的)、怖いもの(ヒトから離れていること)に慣れさせようというわけです。
 薬はその補助、そして、誉める一方の「陽性強化」、どこまで到達したら誉めるかの目安は無段階に小さい「シェイピング」という中身になります。

 肝心なことは、無理をさせないこと。一度でもハードルが高すぎると一気に本へ戻りかねません。
 無理に不安に向かわせるのではなく、イヌに自信をつけてもらって、その自信によってイヌが勝手に冒険に生きたくなるように仕向ける・・・んです。
 もしご存じでしたら、「ネズミのマント」という童話を想起いただくとよいかと。

 なお、治療期間中は、他のあれこれは犠牲にする覚悟が要ります。冠婚葬祭その他の不義理など。

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