獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200406-199

レス:2題
投稿日 2004年6月17日(木)11時44分 投稿者 プロキオン

6月16日の らいすさんへ
「ミニチュアダックス子犬の白目」
この質問への正確な回答というのは、当該犬を実際に見てみる必要があ
ると思います。
白目というのは、眼球結膜と強膜の部分のことですよね。正面から見て
他の子犬よりもらいすさんの目に付くということですね。一応、流通に
のって販売されている限り、ペットショップの方では販売できる個体と
考えていたのでしょうから、とくに問題ありというわけでもないように
思えます。
それでも、やはり変だというレベルの話しであれば、これはどなたかに
実際に見てもらってから意見を聞くというこになるのではないでしょう
か。


6月16日の るみるみさんへ
「去勢で相談です」
ワクチン接種時に「片睾丸」と言われたのであれば、まだ2ヶ月〜3ヶ
月の子犬でしょうか? それとも、すでに成犬であって、追加接種の際
に言われたのでしょうか?

前者であれば、この時期に精巣が両方とも陰嚢内に下降していないこと
はさほど珍しいことではありませんし、今から、残りの精巣が下降して
くることは充分にありえます。
後者であれば、今から下降してくる可能性は極めて低いと言えます。

そして訂正の必要があるのが、「前立腺癌」との表現です。所謂片睾丸
における「陰睾」は腹腔内に残った精巣が腫瘍化する可能性があるとさ
れていますが、あくまでも可能性であって、100%ではありません。
そして、これは精巣が「セミノーマ」や「セルトリー細胞腫」とかの腫
瘍になる可能性であって、「前立腺癌」とは別のものです。
前立腺癌は前立腺の疾患であって、精巣とは別の組織です。

摘出手術も腹腔内の精巣が対象となりますから、通常去勢手術と呼んで
いるものとは侵襲の度合いも異なります。それだけの負担になることに
は違いありません。
ただね、「摘出した方が良いかどうか?」という尋ね方をされたのであ
れば、摘出した方がよいのに決まっています。この問いに犬の大きさや
種類は関係ありませんので。
将来に問題を先送りするか否かというだけの問題なのですから。

しかし、実際問題として、今早急にオペの対象となるかと尋ねられれば、
私の答えは「否」です。
やはり、まだ子犬であろうと思われますし、成犬でも100%腫瘍化す
ると決まっているわけでもないし、
また、腹腔内の精巣が腫瘍化する以前に、機能的に腫大する段階で「雌
化」する現象が確認できると思うのです。
ある朝、目がさめたら、腫瘍になっていたということはありえないので
すから、今、この時点で手術に踏み切らねばならない切迫した理由はな
いと思うのです。
手術は実施した方が飼い主さんは安心できるのでしょうが、切迫した問
題ではないというのが、私の意見です。



◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。