獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200409-55

思いやり@レトリバーの件について
投稿日 2004年9月7日(火)19時45分 投稿者 Amber

はじめまして。

レトリバーの件について今ずっと
読んできたのですがなんだか悲しくなりました。
私もきっとその場にいたなら
anjuさんが近所のGRに対して心配する気持ちと
何とかその子のクオリティオブライフを改善させてあげたい、
という気持ちと同じ気持ちになっただろうと思います。

パールさんや、パールさんに賛成の皆さんはきっと
「優しさだけではカバーしきれない様々な現実問題」を
色々と経験された方で、現実的な視点から
anjuさんへメッセージを書かれていたのではないかと思うのです。

平成12年に改正された新しい愛護法の中
第2章に「動物の適正な飼養及び保管」
というものがあり下記のような事も書かれています。

* 適切な飼育をし動物の健康や安全に努める
* 動物が人の生命・身体への損害、人への迷惑をかけない
* 地方公共団体は上記について飼い主へ適切な指導を行う事ができる

また「広く国民の間に命あるものである動物の愛護と
適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため、
動物愛護週間を設ける」とされていて
9/20〜26日までがその愛護週間と決められています
(もうすぐですね)

anjuさんの見たGRの環境は私は法に照らし合わせてみても
私は適切な管理下に置かれているとは思えませんでした。
糞尿の異臭や抜け毛などからご近所への迷惑という事や
不衛生な環境から人や犬自身への様々な問題も考えられると思います。

ただこの法律ではその判断基準がとてもクリアではないので
その状況を判断する基準で、ここでも多く書かれていたように
「これは法にふれる行為ではない」という判断もできてしまうのです。
そういった法律に1番の問題があり、そこの部分が落とし穴となって
法で裁けない、飼い主が「虐待」に値する行為をしていても
虐待と見なされず、anjuさんのように
状況を知り助けたいと思っていながらも
救う事ができずに命を落としていった子は数多くいます。
この法律をもっとクリアにして行こうと
多くの方が今力を合わせて行動を起こしています。

愛護週間と定められてはいますが
まだ世間での関心や知名度は高くはないと思います。
GRの飼い主に不衛生な環境での飼育が
起こし得る問題について適切な指導したり
anjuさんのジャーキーの事なども
知識やアドバイスを受けられるように
もっと広く地域に浸透して行って欲しいと願っています。

小さくても大切な命が関わる問題です。
人間それぞれの感じ方、判断基準で動物たちの生活基準が
時には命が左右される事があるというのは悲しすぎます。
こうした法律が動物にとってより良く改善される事を願っています。

パールさんが言われている
「ペット禁止の住宅で飼育する事」については
それが見つかって追い出されるような事になった場合、
悲しい事にペットを手放してしまう勝手な人間が
多いからなのだと思います。anjuさんは例え追い出されても
そんな無責任な事はしない飼い主さんだと信じていますし
きっとanjuさんもそんな事をしている人を見たら
腹立たしく、悲しくもなってしまうと思います。

私もこの件についての皆さんの文章、
所々きつい部分があると実際に感じましたが
それは今現在の動物に対する日本の社会と現実の辛さや
命に関わる事の責任の重さ、と相成っているようにも
感じれました。
だからそれは嬉しい事でもあると思うのです。
皆が真剣に動物について考えているんだ、
という証にも思えました。

anjuさん、その後解決策など見つかりましたでしょうか。
私の理想はアフガン使いさんの書かれていたような
「助け合う」ような形での解決です。
もしかしたらあまり綺麗好きでない飼い主さんが
糞尿の始末をしていない、という状況ではなく
病気で思うように世話をしてあげれない等の
何か事情がある場合も考えられると思うのです。

なのでanjuさんのように何か不安になったり
心配になった時、地域の団体に相談したり
直接飼い主さんにお声をかけてみる事も大切だと思うのです。
これは動物愛護に関わらず現在の社会にとって
必要な事だと私は思うのです。

人それぞれの意見、考え方は違っていても
こちらにいらしている皆さんはきっと
動物が好きな方ばかりだと思うのです。
だから言い争いのようになってしまっている部分、
とても悲しく思いました。

anjuさん、皆さんの意見は厳しいようですが
これが今の私達社会の現実という部分もあるのです。
きっとこうした厳しい意見で落ち込んだり
悲しくなってしまったよね。
私はanjuさんの動物に対する思い諦めて欲しくないです。
でもこうした事からanjuさんも多くを知って
経験する事で強くなり、また新たな力になりますように。

そして皆さん、anjuさんのようにアドバイスを求めている方に
もう少し分かり易く思いやりを持った対応して頂けないでしょうか。
「飼い主の方針だから仕方ない」という現実や
「人それぞれだから」という言葉
それは真実ではありますがどうかお互いに歩み寄って
意見を押し付ける事なく、個人の意見を
交換するような形で相手の立場を理解し合いながら
話し合う事はできないでしょうか。

プロシキさんのように
「書いているそのあなたのできることを、教えて貰えな
いと指事しようがないのに、と思ったりします」と
感じる方もいるかと思いますが、それならば
それを「分からないので教えてもらえますか?」と一歩、
歩み寄ってみませんか?

顔が見えない同士、言葉だけでのやりとりには
誤解をしてしまう部分も多いと思います。
今一度、お互いに思いやりとリスペクトを持って
コミュニケーションしませんか?

優しさとは何か?というメッセージもありましたが
「愛の鞭」的な厳しいけれど相手を思いやっての言葉や
気持ちを伝える事も可能だと思うのです。
「あなたがそう思う気持ちは理解できる(想像できる)
けれど私は賛成できないのです、理由はこういう事です」と
相手をリスペクトする事が大切なのではと私は思います。

私も長々と自分の意見を書いていますが
きちんと自分が意図した事が皆さんに
伝わっているか分かりません。
私も上記に述べた事を今回の件から改めて
見直してみようと思いました。

長くなってしまいましたが
最後まで読んで下さって有難うございました。
動物の法律がこの先改善されて
こうした問題を話し合わなくても良い社会になって行く事を
心から願っています。

PS
プロシキさんへ

余談なのですが「動物に対する気持ちの持ち様も、
価値観も最初から異なっているのです。」とありましたが
私はつい最近読んだ本から「男女の違いっていう事もあるだろうなぁ」
なんてふと思ってしまいました。(地図の読めない...と続編の本です)
男女も考え方等「最初から色々と異なっていて当たり前」な部分が
あると知ってとても面白いなーと思いました。
こうして最初から違うんだ、という理解で接していると
腹の立たない事も結構あったりです(笑)

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