獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200410-197

>確認の海が好きさん
投稿日 2004年10月16日(土)01時14分 投稿者 わたらい

この件は個々のケースで違ってしまうので、本当の「確認」がしてみたいならご自分のイヌさんで一々実験(冒険)してみないと分かりません。
常識的に、自分(ヒト)がその食品を摂取するのが「全体の何%」くらいなのか?
それをいわゆる「適量」という事にして、ソレと同程度か、それ以下、あるいはほんのわずか、を摂取して異常が出るなら、その子達は「絶対に食べちゃダメ」な子達と言えるのではないでしょうか?
一方で、非常識といえる量(=大量摂取)を食べたら異常が出るとして、ソレを「与えちゃダメ」という話にするかどうか、コレは自己責任、個人の判断にゆだねてよいのではないかと考えます。

10キロ程度のイヌさんがいるとして、焼き鳥のネギマに刺さっているネギの小片1個を口にしただけで異常が出るのならば、そのイヌさんにとってネギは危険な食品という事になるでしょう。
ところが一方で、異常のでないイヌさんというのは、毎日タマネギ1個程度を食べさせ、1週間程度経過すると元気、食欲に異常はなくとも(ようやく)血液検査上の数値には貧血の所見が表れるようです。
外観は普通ですし、何が楽しくて毎日タマネギをせっせと食べさせたりする必要があるのか・・・という事を考えると、普通の生活をしている分には「何ともない」イヌさんもいると言っていいのではないかと思います。

同じく、牛乳中に含まれる乳糖が吸収分解できないケースというのがあるそうでして、コレを乳糖不耐性といいます。
こういう体質の持ち主はかなりいる(らしい)ということになっておりまして、そういう子は、たとえ杯1杯の牛乳であったとしても飲めば下痢が始まるでしょう。
コレに限らない気がしますが、乳製品中に含まれるなにがしかの成分(タンパク質や脂肪など)に対して異常を示すイヌさんというのはいて、下痢以外にも嘔吐や発疹などが起きる可能性はあります。
アレルギーなどが判りやすいかもしれませんが、ごく少量の摂取(タンパク質)に対して体が過敏に反応します。
ただ、こうした特別な体のイヌさんでなければ、さすがに舐める程度の牛乳で異常が出たりはしません。
太るので勧めませんが、水代わりにいつも牛乳を与えている飼い主さんだっています。
アイスクリームのフタを舐めるのが好きなイヌさんだっていますよね?
ただ、これが、紙パック1本分(1リットル)の牛乳をよく冷やして15分以内くらいで一気に飲ませたとしたらどうでしょうか?
普段与えた事のない子の方が、喜んで狂ったように飲み尽くすかもしれませんが、おそらく、大概のイヌさんが当日〜翌日までに激しい下痢に襲われると思います。
自分の家のイヌさんの「適量」がなんぼのもんか、試してみたい・・・という方でなければ、「あげない」という選択もアリでしょうし「あげすぎない」くらいで妥協する事も出来るでしょう。
もちろん、一滴だって(絶対に)与えられないケースもあり得ます。

「キケン」な食品について、今どき犬の飼育書を読めばなにがしかの情報は手にはいるでしょうし、それらについて一々「うちの犬は大丈夫か?」という実験をやっていくのは確かに馬鹿げていますから、もしも危険を感じるのであれば、「絶対にあげない」という事で良いのではないでしょうか?
ただ現実には、常識の範囲なら、大量摂取と呼ばれる量に到達しなければ「問題ない」キケンな食品はかなりあると思います。
実際に診察で診る事になったとしても、量を確認したら「だいじょうぶ」で無処置で帰してしまうような食べ物の話は結構あります。

バランスとしては、やたらめったら気にしすぎないで、「普通」が無難です。
「お隣の夕飯を拝見」じゃあないんですが、あちこちの食卓で色々なメニューが並ぶの(ソレが当然)だと思います。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。