獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200501-227

re:獣医師のできること
投稿日 2005年1月27日(木)17時44分 投稿者 プロキオン

1月26日の めいさんへ

すでにac先生からレスがついておりますが、私からも一言。

「獣医師にできること」となっておりますが、動物について知りたい、
学びたいということであれば、まず、それが何かということが大事にな
ります。
そこれによって進路が異なってきます。

獣医学科というところは、農学部の一学科ですので、なによりもまず、
家畜の疾病を対象としており、その診断や検査方法の研究ということに
なります。
同じ、寄生虫研究室の看板を掲げていても、大学が違えば、ダニの研究
が主体のところもあれば、豚回虫と人回虫の分類上の相違を研究してい
る研究室もあるでしょう。学会の部門別の発表を覗いてみれば、研究内
容が重なっていることは稀といえるのではないでしょうか。
つまり、研究者の興味の数だけ研究項目があると言えます。

自分が、動物の何を学びたいのかで、「最も近い研究」をしている研究
室に進む必要があるということになります。
そして、先程申しましたが、獣医学科の主体は畜産に関わりますので、
そちらに進学するからには、望まなくても、その分野の履修は必要とな
ります。
小動物である犬や猫については、大学を卒業後にその多くを学ぶことに
なるでしょうし、治療もまた然りです。

動物の習性とか行動とかであれば、獣医学科以外の方が少しは対象とし
て扱われているかもしれません。そのような場合においても、どのよう
な研究室と講師がいるかを事前に承知しておく方がよろしいでしょう。

動物の研究をするのに獣医師の資格の有無は、必要とされないはずです。
治療に関わる診療行為が求められる際には必要とされますが、場面とし
ては、かなり限られた場合でしょう。
国の研究機関に所属されている先生の中には、診療しないのだからとい
う理由で獣医学科の卒業生でも 免許を取得されていない方がしばしば
おります。

めいさんの質問のような内容は、しばしば登場するのですが、寄り道を
しないで効率良く望む道へ進みたいというのであれば、大学入試以前に
各大学の研究室の特徴を承知しておかなくてはなりません。
ただ、これは口で言う程に簡単なことではありませんから、せめて、ど
の分野の何についてくらいは絞って、大学を選択した方がよろしいでし
ょう。

獣医師免許や獣医師が、何にでも通用するオールマイティのものと考え
ている方も多いのですが、これは誤解です。
狭く限られた範囲のことだから、他人よりも勉強しているのにすぎませ
ん。当然ながら、求められる事も専門化しておりますので、「とりあえ
ず進学しておくか」では、後で臍を噛むことになりかねません。

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