獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200502-50

ねこママさんへ
投稿日 2005年2月6日(日)05時56分 投稿者 山下 貴史

ねこママさん、こんにちは。いろいろと誤解が生まれているようなので・・・。言葉って難しいですね(*^-^)bこのような掲示板では誤解も招きやすいですからひとつひとつのやりとりも重要ですよね!(もともとこちらにはプロキオン先生という素晴らしいアドバイザーがいらっしゃいますので僕は本来カキコしていないのですが、これも何かのタイミングなのでしょうか!?)

まず・・・僕ならばインスリンはスパン!と切ることもあります。もちろん経過観察・・・自宅で尿糖などのチェックをしながらです。インスリンは3日でパッとやめることもありますです。例えば、病院では糖尿病、でも家に帰れば普通の猫さん・・・ということも経験したことがありますし。通院・病院・採血のストレスにより容易に糖尿病状態を誘発できるということもありました。高血糖よりも低血糖のほうが命に関わることも多いように感じておりますので。

それと抜歯ですが、血液検査や尿検査などによる検診を十分にモニターした上で実施してくださいね!僕は抜歯をお勧めしているわけではないのですよぉ?

歯石取りだけでも口内炎症状が改善することもありますので、複数回麻酔処置することになるのですがこんな感じで行なうこともあります。具合の悪いときに長時間の麻酔で一気に良化を狙うか、麻酔の悪影響をできるだけ避けるために、少しずつでも上向きなることを期待して短時間複数回の麻酔でマイルドに行くか・・・ですね。<麻酔1回目>まず歯石取り(歯周ポケットの清浄化も)をして、自宅療法として0.12%クロルヘキシジン液での消毒(垂らすだけですから難しくはないと思うのです)などで一般状態を持ち上げるだけ持ち上げて、口内炎が残るならば<麻酔2回目>次に直接いじめていると思われる歯だけを抜く(多くは最後臼歯のみ)、また経過を見て<3回目以降>他の歯を抜く必要性があるかを評価判断する(臼歯全体→すべての歯)・・・といっぺんにやらない方法です。これらは全て本人の体調や内臓の状態で決められます。獣医学的に良い方法が全てのねこさんに良い方法ではないので、熟考してくださいね。

それと・・・発生率ですが、ねこママさん・・・素直すぎます(=^▽^=)そんなにいろいろ信じたら振り回されちゃいますよぉ?いろいろなところで目にするデータや僕の話すことも含めて多くのアドバイスに絶対的なものはないですからネ。800人に一人も、200人に一人も一個のデータにすぎません。ちなみにうちの病院では文献により100〜500人一人というデータを示していますが、これもデータにすぎないわけですね。それと猫さん500人に一人というのは実はものすごく多いんですね。例えば猫さんが一日に10人来院する病院があるとします。すると、2ヶ月の間に一人以上の糖尿病患者さんがいるということですよね。例えば麻酔事故が500人に一人・・・なんて考えるとうちのような小さな病院で麻酔事故が毎年1人以上起こるなんてことに!!そんな頻繁に起こるなんて怖いですよね!?10万人に一人の麻酔事故でも多いと感じるくらいです。

最後に動物病院へのかかり方ですが、むやみに獣医師を信じることを僕はお勧めしていません。患者さんとご家族と獣医師と三人四脚で・・・特にいつも一緒にいらっしゃるご家族の皆さんの目というものも大切にしたいですね!そうすると、慢性腎不全の猫さんのような出来事は少なくなると思います。長文になってしまうのですが、こんな話も・・・。前の病院で「もう治らない」とか「がんだ!」とか言われて恐怖心や諦めを促されたけれど、実は肝臓を一部取るだけで生活の質も予後も良好になるとか、治っちゃうとか・・・。もちろん例えば・・・ですけれどね。

ねこママさんの主治医はあくまでもねこママさんです。僕たち獣医師はアドバイザーであり、絶対の意見はありません。そんな感じです。

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