獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200502-77

Re:愛犬の死
投稿日 2005年2月9日(水)17時14分 投稿者 パールちゃん

ビアンカさんへ。
私も以前に肺水腫による呼吸不全で愛犬を亡くしましたので、
ビアンカさんのビーグルさんがたどった経過がよくわかります。
これから書くことはビアンカさんにとって冷たい言葉になるかもしれませんが、
こういう考え方もあるというくらいの気持ちで読んでください。

高齢で肥満気味の犬は外には症状を表しませんがすでにかなり長期間に渡って心臓に負担がかかっています。
心臓に問題があるのであって消化器系が丈夫なら異変の寸前まで食欲があり排泄もスムーズです。
しかし急な温度変化や激しい運動・興奮に合うと心臓に異変のスイッチが入ります。
心臓から規則正しく血液が送られなくなると全身の状態は思いのほか早く悪化します。
血液循環は内蔵の機能や神経の機能、また細胞レベルの機能にまで深く影響しています。
肺の細胞がうまく酸素を取り込めず肺の機能が落ちる、
血液循環不全により体内の水分調節がうまくいかない、
これらによって肺やおなかにどんどん水がたまっていきます。
血液循環不全で腎臓の機能も見る見る落ちていきますから、
体内の余分な水分を尿に変えて排出する力もなくなります。
こうなると酸素吸入や利尿剤投与をしても大元の心臓がよくならないかぎりイタチごっこです。
肺水腫は高齢で心臓の弱った犬につきもので、肺水腫それ自体が病名でも死因でもなく、
正しく言うならば、心不全による肺水腫、肺水腫による呼吸不全、そういう帰結だったと思います。

病院でもっと何かできたのではないかという問いに対しては、私には答はありません。
ただ、酸素吸入や熱を下げて神経にも効く注射をしたのは正しい選択だったと思いますし、
たとえ強心剤など心臓に直接働きかける薬を使ったとしても一時的に効くだけで、
年齢や肥満気味という要素の点から推察するに完全回復は望めなかったと思います。
ひとつ言えるのは、苦しんでいるなか無理に押さえつけてレントゲン撮影をしなくてよかったということです。余計な苦しみや不安・恐怖・ストレスを与えずに済んだわけですから。

ビアンカさんの今の悲しみ、もっと何かできたのではないか、他の病院に行ったほうがよかったんじゃないか、いろんな想いが次から次へ涌いてくるのが私には痛いほどわかります。
苦しくてつらいですよね。
わんちゃんも苦しくてつらかったでしょう。
私の犬も苦しくてつらかった。私も苦しくてつらかった。
それまでの長い年月をいっしょに暮らして、同じことに笑って同じことを楽しんだから、
最期のときもそうなんです、犬も人も苦しくてつらい気持ちを共有するのです。
それが「今までありがとう」の区切りなんです。
そう思えるまで私は何年もかかりました。
9年経った今思い出すのは、苦しんでいた姿ではなく、健康で幸せだった日々のことです。

ビーグルさんにはもうなんの苦しみもありません。
それを「よかったね」と思ってあげてください。

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